「しあわせのパン」 三島有紀子

北海道の静かな町・月浦に若い“夫婦”が営むパンカフェがあった。
実らぬ恋に未練する女性、出ていった母への思慕から父を避ける少女、生きる希望を失った老夫婦が次々と店を訪れる。彼らを優しく迎えるのは、二人が心を込めて作る温かなパンと手料理、そして一杯の珈琲だった。

静かに静かに、癒されます。

映画の存在は知っていました。その映画のノベライズかと思いきや、監督がこの小説を執筆したのだそう。

厳密に言えば、映画が先にあって小説が後から発刊されているので本書はノベライズとも言えるのかもしれない。
ですが、どちらも同じ人が生み出しているからこそ、受け手に伝えたいメッセージをブレなく届けられるのでしょうね。 続きを読む

「白蝶花」 宮木あや子

傾いた家のために財閥の妾となった泉美、貧しさ故に芸妓として売られた姉妹の菊代と雛代、奉公先で書生の子どもを身籠る千恵子、豪奢な屋敷で愛に飢える県知事令嬢の和江。
人生を選びとることも叶わず、女は明日死ぬかも判らぬ男を想うしかなかった時代──戦前から戦後の不自由さを吸い上げ、荒野の日本で美しく野性的に生を全うした彼女たちが咲かす、ドラマティックな恋の花。

女性が今よりも生きにくかった時代

読む度に惹きこまれる宮木さんの小説。
大正から戦後にかけてを強く、逞しく生き抜いた女性を描いたこの短編集は、読み進めていくにつれ連作短編小説だと気付きます。点と点が線になる。 続きを読む

「ランチのアッコちゃん」 柚木麻子

地味な派遣社員の三智子は彼氏にフラれて落ち込み、食欲もなかった。
そこへ雲の上の存在である黒川敦子部長、通称“アッコさん”から声がかかる。
「一週間、ランチを取り替えっこしましょう」。
気乗りがしない三智子だったが、アッコさんの不思議なランチコースを巡るうち、少しずつ変わっていく自分に気づく(表題作)。

読むほどに心が弾んでくる魔法の四編。読むとどんどん元気が出るスペシャルビタミン小説。 続きを読む

「給料そのままで「月5万円」節約作戦!」 ヨースケ・城山

毎年我々国民の生活も圧迫されていっています。給料は増えない、
しかし支出は増える一方。こんな世の中で楽しく明るく過ごすにはどうしたら良いのでしょうか? 節約アドバイザーとしてみなさんに伝えたい事。
それはお金の使い方を少し工夫するだけで家計は安定するということです。

【Kindle unlimited】

ズボラな人でも、固定費を見直せばこんなにもお金が貯められるよ!という実体験がわかりやすく書かれてます。 続きを読む

「憧憬☆カトマンズ」 宮木あや子

「もうすぐ30歳だけど、自分探しなんて、しない。きっと、私たちは大丈夫!」
ハケンと正社員、外見と内面、偶然と運命? 仕事に、恋に、ゆれるワーキングガール必読! 
痛快! 爽快! ウルトラハッピーストーリー!!

暗い現実なんて、吹き飛ばしちゃえ!

暗い現実なんて吹き飛ばす、「ウルトラハッピーエンドな話」
確かにこんなの、現実的にはアリエナイッティ!なんですが、小気味よく楽しく読ませてもらいました。 続きを読む

「ギンイロノウタ」 村田沙耶香

私となんの関係もないあなたを、私は殺したい。

成熟を夢見ながらも無差別殺人衝動に襲われていく内気な少女の極限の姿を描いた表題作。
そして殺傷行為を恋愛感情とクロスさせる女子大生のラブ・ストーリー「ひかりのあしおと」。

――「誰が身震いせずにいられよう」と絶賛を浴びる注目の作家の、圧倒的なエネルギーを湛えた二作品を収録する小説集。

生々しく、怖い。とにかく、怖い。

いつか、読んでみたいとずっと気になっていた村田沙耶香さん。
なかなか過激な設定のものが多いというのは聞いていました。だから、恐る恐る手に取り、読んでみました。 続きを読む

「日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ」 森下典子

お茶を習い始めて二十五年。就職につまずき、いつも不安で自分の居場所を探し続けた日々。
失恋、父の死という悲しみのなかで、気がつけば、そばに「お茶」があった。
がんじがらめの決まりごとの向こうに、やがて見えてきた自由。

「ここにいるだけでよい」という心の安息。
雨が匂う、雨の一粒一粒が聴こえる……季節を五感で味わう歓びとともに、「いま、生きている! 」その感動を鮮やかに綴る。

読むだけで、幸せになる。

これは、ものすごくよかったです。
20歳から25年お茶を続けた著者が綴った、お茶の世界。小難しい話は一切なくて、始めたばかりの頃の「なぜ?」という疑問や驚き、少しずつ広がりを見せていくお茶の世界、研ぎ澄まされていく五感…縁のなかったお茶の世界を知れて、その深さにとても感動しました。
読み返そうとして、鳥肌が立ってしまうくらい。 続きを読む

「啼かない鳥は空に溺れる」 唯川恵

正しいのは、母だろうか、娘だろうか。
間違っているのは、娘だろうか、母だろうか。
答えはきっと、母と娘の数だけある。

母と娘の“呪縛”と“依存”をサスペンスフルに描く、
唯川恵氏、待望の長篇小説。

もしかしたら、男性にはわからないかもしれない。

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「太陽の庭」 宮木あや子

神と呼ばれた一族に渦巻く、愛憎と官能。
日本の政財界から密かに神と崇められる一族・永代院。
息子が父の女を愛したことから崩壊への道を歩み始め…。

世間から隔絶した一族の愛憎と官能を描く、美しく、幻想的な物語。

幻想的×官能的。歪で、美しい世界です。

ある一部の人たちからは神と崇められ、地図には載らない秘密の地、特別な一族がこの日本にはいる。
ぞくぞくするような面白さで、一気に読み切りました。 続きを読む

「ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~」 三上延

静かにあたためてきた想い。
無骨な青年店員の告白は美しき女店主との関係に波紋を投じる。
物思いに耽ることが増えた彼女はついにこう言うのであった。必ず答えは出す、ただ今は待ってほしいと。
ぎこちない二人を結びつけたのは、またしても古書だった。いわくつきのそれらに秘められていたのは、過去と今、人と人、思わぬ繋がり。

脆いようで強固な人の想いに触れ、二人の気持ちは次第に近づいているように見えた。だが、それを試すかのように、彼女の母が現れる。
この邂逅は必然か? 彼女は母を待っていたのか? すべての答えが出る時が迫っていた。

青年の想いを古書は静かに見守ってきた

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