「超・殺人事件―推理作家の苦悩」 東野圭吾

新刊小説の書評に悩む書評家のもとに届けられた、奇妙な機械「ショヒョックス」。
どんな小説に対してもたちどころに書評を作成するこの機械が、推理小説界を一変させる――。

発表時、現実の出版界を震撼させた「超読書機械殺人事件」をはじめ、推理小説誕生の舞台裏をブラックに描いた危ない小説8連発。
意表を衝くトリック、冴え渡るギャグ、そして怖すぎる結末。激辛クール作品集。

寝る前のひとときに、お勧めです。

推理作家の苦悩をシニカルかつユーモアたっぷりに書いた、短編小説集でした。 続きを読む

「下流老人」 藤田孝典

年収400万でも、将来生活保護レベル!?
今、日本に「下流老人」が大量に生まれている。
そしておそらく近い未来、日本の高齢者の9割が下流化する。
本書でいう下流老人とは「生活保護基準相当で暮らす高齢者、およびその恐れがある高齢者」である。現在すでに約600万人が一人暮らし(うち半数は生活保護レベル)をしているが他人事ではない。
間近に迫った「老後総崩壊」にどう対処すればいいのか?

人間が暮らす社会システムをつくるのはわたしたちである

老後の貧困はひとごとではない。
そう警報を鳴らすのは、生活困窮者支援のNPO法人「ほっとプラス」の代表理事で社会福祉士である本書の著者、藤田孝典さん。 続きを読む

「サファイア」 湊かなえ

あなたの「恩」は、一度も忘れたことがなかった―「二十歳の誕生日プレゼントには、指輪が欲しいな」。
わたしは恋人に人生初のおねだりをした…(「サファイア」より)。林田万砂子(五十歳・主婦)は子ども用歯磨き粉の「ムーンラビットイチゴ味」がいかに素晴らしいかを、わたしに得々と話し始めたが…(「真珠」より)。

人間の摩訶不思議で切ない出逢いと別れを、己の罪悪と愛と夢を描いた傑作短篇集。

たしかな闇と、光がある。

素敵な装丁から、発売以来気になっていた1冊。
湊かなえさんによって綴られた、宝石の名前を冠したタイトルが並ぶ短編集です。 続きを読む

「ルポ 消えた子どもたち―虐待・監禁の深層に迫る」 NHKスペシャル「消えた子どもたち」取材班

18歳まで自宅監禁されていた少女、車内に放置されミイラ化していた男の子─。
虐待、貧困、保護者の精神疾患等によって監禁や路上・車上生活を余儀なくされ社会から「消えた」子どもたち。全国初の大規模アンケート調査で明らかになった千人超の実態を伝えると共に、当事者23人の証言から悲劇を防ぐ方途を探る。2014年12月に放送され大きな反響を呼んだ番組取材をもとに、大幅に加筆。

これは今、日本で起こっていることです。

学校がある昼間に、公園で一人遊んでいる子どもを見かけた。
年齢は、小学生高学年だろうか。

もし、様子がおかしいようなら声をかけるかもしれない。
でも、たとえ痣があるように見えたとしても近くから怖い父親が出てくるかもしれない、と思ったら声をかけることもできないかもしれない。
あなたは、声をかけられますか? 続きを読む

「自分らしい人生を創るために大切なこと」 経沢香保子

26歳で、ゼロから創業。
2012年10月、当時女性最年少社長として東証マザーズ上場。

この本で著者が伝えたいことは、
「誰しも、自分の人生は、自分の理想のように創り出すことができる」
ということ。
すべてを手に入れたいと望む女性に、そのスタイルを1つの考え方として提案しています。

発信してくれる人がいることで、勇気をもらえる人がいる。

一歩先をいく女性の先輩として、諦めずに自分の人生を歩むということについて真摯に語り掛けてくれる1冊です。
とても心を揺さぶる、まさに新年度のスタートの時期に読めてよかったです。 続きを読む

「自縄自縛の私」 蛭田亜紗子

どうしてそんなことを?と訊かれたならば、魔がさしたから、としか答えようがない。
縄はどんな抱擁よりもきつく、私の躰と心を抱きとめる――。
仕事に追われる日々の合間、自分を縛ることを密かな楽しみにしている「私」を描いてR-18文学賞大賞を受賞した表題作、女子高校生の初恋が瑞々しい「渡瀬はいい子だよ」など、“不器用さ”すら愛おしい女の子たちをめぐる、全6編。

知らない世界が、見れますよ。

なんて、アブノーマルな世界なんだ。
正直、想像もしたことがない世界が繰り広げられていて、最初は驚きました。 続きを読む

「夜と霧 新版」 ヴィクトール・E・フランクル

「言語を絶する感動」と評され、人間の偉大と悲惨をあますところなく描いた本書は、
日本をはじめ世界的なロングセラーとして600万を超える読者に読みつがれ、現在にいたっている。
原著の初版は1947年、日本語版の初版は1956年。その後著者は、1977年に新たに手を加えた改訂版を出版した。

世代を超えて読みつがれたいとの願いから生まれたこの新版は、
原著1977年版にもとづき、新しく翻訳したものである。

私とは、私たちの住む社会とは、歴史とは、そして人間とは何か。
20世紀を代表する作品を、ここに新たにお送りする。

もし、苦しみの中にいるのなら、ぜひこの本を手にしてほしい。

再読です。
といっても、以前読んだのは旧版。大学生の頃でした。
強制収容所における人間の在り方について精神科医であり、心理学者でもあるE.フランクルが書いた本書は、あまりにも有名ですが、私の人生における読めてよかった本ベスト10に間違いなく入る1冊です。 続きを読む

「モンキームーンの輝く夜に」 たかのてるこ

「私の運命のオトコが、なんでサル顔なわけ!?」。
東南アジア最後の辺境ラオスで“旅人OL”が見つけた最愛の男は、サル顔の自然児だった。

旅先でナンパされ、出会ったその日に告白されて…それでも本気でホレたから、“お持ち帰り”することに決めたのです!
運命?勘違い?不安材料てんこ盛り。笑いと涙のハチャメチャ恋愛亡命記。

ノンフィクション、だからおもしろい。

一人で旅したラオスで、まさかの恋に落ちる。
ゆるゆるっとしたラオスの雰囲気と、切ない恋と、自由気ままな旅が綴られたエッセイは、読むだけで自分も旅をした気分。とっても楽しかったです。 続きを読む

「ベンチャー魂は消えない」 経沢香保子

小学生の頃、専業主婦の母親に「これからは女性も働く時代になるのよ」と言われたのをきっかけに、自分の人生について真剣に考え始めた著者。

最初の子どもを介護の末になくしたり、2億円の返済をしながら会社を継続させたり、身に覚えのない批判を浴びたり。
「もう立ち上がれないかもしれない」と思うことがたくさんある中「夢を持ち続ける気持ち」だけで奮闘してきた。

本書はITmediaでの連載を加筆修正した、魂の1冊です。

勇気とパワーをくれる、1冊です。

2回目の起業を決意した経緯と、その挑戦の軌跡が綴られています。 続きを読む

「島はぼくらと」 辻村深月

島で暮らす同級生の4人。
島に高校がないため、4人はフェリーで本土に通う。
「幻の脚本」の謎、未婚の母の涙、Iターン青年の後悔、
島を背負う大人たちの覚悟、そして、自らの淡い恋心。
故郷を巣立つ前に知った大切なこと――すべてが詰まった傑作書き下ろし長編。

こんな景色が広がっているとは、思ってもみなかった。

美しいなあ。。。と何度も思いながら読みました。
舞台は、瀬戸内海に浮かぶ冴島。 続きを読む