「つめたいよるに」 江國 香織

独特な優しい表現で、なんだかほっとします。
ふうわりふうわり落ちてくる雪だとか、びょおびょお泣く様だとか。
独特ながらもその様子がしっかり感じられました。
時間の流れや、霊、そういったものが身近に感じられて不思議な安心感に囚われたりもしました。

☆特にお気に入りの短編☆
「いつか、ずっと昔」 
気づくと私は別の生き物になっていた。あぁ、これは、私が生まれ変わる前の姿だ。
私はへびに、豚に、そして貝に、その姿を変えていく。
決して長くない話(実質10ページにも満たないんです)なのに余韻も残りどっぷり世界に浸かってしまいました。


「スイートラバーズ」
私はよくお婆ちゃんの生まれ変わりだ、とか言われる。
事実私はたまに自分が生まれる前のことなのにまるで見てきたかのように知っている感覚に陥ることがある。
淡い幸せが残る話でした。誰だって大切な人のそばにいたいですよね。


「ねぎを刻む」
それはいつも突然やってきた。理由のない孤独に私は泣き出してしまう。
“誰にも、天地神明にかけて誰にも、他人の孤独は救えない”
共感するのと同時に「私」に憧れたりも。寂しいかもしれないけど、孤独を自分のものにする強さは憧れます。

★★★☆

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