「チグリスとユーフラテス」 新井 素子

これは、ずっと未来のお話。
地球から遠く離れた惑星「ナイン」に移民した人々の物語。
順調に社会を築き上げた惑星ナイン。
けれど奇しくも人類の生殖能力は低下し続け、とうとう「最後の子ども」が産まれてしまう。
その子の名前は、ルナ。

結構、哲学的な内容のSF。
文体にクセがあるので、好き嫌いが分かれるかもしれない新井さんの本ですが、私は彼女の本の中でこの作品がいちばん好き。何度も読み返してます。
登場人物のアカリがあまりにも好き過ぎて。

とてもシンプルながら、ルナを通して人生の意味(意義)を問いかけます。
初めて読んだ時はラストシーンの情景が美しくて、余韻も楽しめる本だな、という程度だったのに、アカリのシーンをまた読みたいがために気づけば既に何度読んだかわからないほど。
生きることに意味(意義)はない、それでもどんな人生でも幸せはある。
不幸な人生でも、生きていたからこそ出会える、小さな幸せがある。
そんなことを教えてくれる、大切な本です。

「この人生、俺の勝ち!そう思える人生を過ごしたのなら、それは、その人の、勝ちだ。うん、少なくとも俺はそう思うよ。短い上に、意味づけのできない人生だ、なら、好きなことして、『ああ幸せだった』って思った奴が、勝ちなんだよ」

★★★★★

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