「カラフル」 森 絵都

「おめでとうございます、抽選に当たりました!」
ぼくはその時、魂だった。それも生前に罪を犯したが為に輪廻の輪から外され消滅するのを待つばかりの魂だった。ところが、ある天使の一声によりぼくの運命は大きく変わった。
ぼくが当たったものとは即ち生きることの再挑戦のチャンスだったのです。


予想通りの展開でいながら予想を遥かにうわまる中身の詰まった物語でした。
言葉の使い方がとても上手くて悔しいながらもついついのせられてしまい、真がお父さんと釣りに行く場面あたりなどかなり涙腺が危うかったです。

驚いたのは私が少し前に疑問に思っていたことの答えがそのままここに書かれていたことでした。
ちょうど友達といざこざがあって、ずっと白だと思っていたものが実は黒だったということがありました。私は裏切られた思いで「本当の色は何色なんだろう」と思い悩んだことがあります。
しかし忘れてならないのは私たちは誰しも1つの色しか持ち合わせていないというわけではないことです。色彩の渦と言っていいほどの色を私たちは持っているのです。

白も黒もそういったものの一面にしか過ぎないのです。
そしてその色は見る角度によっては違う色に見えたりするものです。
一概にその人の色を決め付けるのではなくもっといろんな角度から見てみようと、改めてはっきりそんなことを思いました。

人は自分でも気づかないところでだれかを救ったり苦しめたりしている。
この世があまりにもカラフルだから、ぼくらはみんないつも迷ってる。
どれがほんとの色だかわからなくて。
どれが自分の色だかわからなくて。

★★★★★

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