「ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師」 上遠野 浩平

暑い季節に読むのにぴったりでした。
ペパーミントみたいに淡く見えるのにツンと刺激を残すような、そんな話でした。
血飛沫あげる戦いだとか情熱だとか、そういったものとは一切関係のない世界。
強い主張があるわけでもないのに、読み終わった後には薄っすらと何かが残ってるような感じです。

これを読んで考えさせられたのが「優しさ」についてでした。
十助の能力はイマジネーターに出てきた飛鳥井の能力に似ている気がします。
当時私がそれを読んだ時は正直、こういう能力があれば誰も悲しまなくて済むし、いいことなんじゃないかって思ったりもしたんですが今回は簡単にはそう思えませんでした。
本当の「優しさ」ってなんだろう、と考えた時にそれは傷つけないようにすることではなくて相手をいたわったり、思いやったりすることなんじゃないか、というのにたどり着きました。
そうすると、この十助の作るアイスクリームのもたらす優しさは虚像に過ぎないと嫌でも気づかされます。

タチが悪いのは本人が何かしらの目的や意図があってそうしてるのではなくて、ただ純粋においしいアイスクリームを作りたいと思っていることでした。
魔術師・・・なんですが、道化師に見えてしまう。
それは私を凄く悲しくさせました。
ペパーミントを本にしたらきっとこんな感じ、という本そのものでした。

・・・・・・・ ”優しい”ってなァ、なんだ?
この善悪なんぞ超越してるキャプテン・ウォーカー様にゃよくわからねーが、そいつが人を憎まないこと、人に都合のいいことをしてやることだってえのなら、そいつはつまり相手の悪いところに気がつかないでいるのと何が変わらないんだ?

★★★☆

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