「シンドラーズ・リスト」 トマス・キニーリー

映画でも有名なこの作品、読んでみてまず驚くのはこれがフィクションではないことです。
あまりの残虐さと非道さに読んでいて気分が悪くなることもしばしばでした。
人を人とも思わないような行動には、信じられないという気持ちと信じたくないという気持ちが絶えず私の中にあった気がします。
そんな世界でシンドラーのとった行動は常識の範囲を大きく踏み外すものでした。

今でこそ彼のとった行動は勇敢かつ素晴らしいものであったと認められているものの、当時自分の信念だけをもとに多くの危険を冒し、法までもを破った彼の行動は国家に背く重大な罪でした。
彼がそれを成し得たのは単純に人類愛からだけではなく、彼のギャンブラー精神もそれに深く関わっているだろうと私は思っています。
戦後多くのドイツ人は、自分達は国家の義務に従って行動していただけだ、と弁護しています。確かに規則を守っていくのは大切なことです。
もっと普通の社会だったなら、真面目な彼らはもっと別の生き方をしていただろうし、そんな社会ではもしかしたらにシンドラーは脚光を浴びることもなくその生涯を終えていたかもしれません。
しかし、実際のところシンドラーは時代に流されず自分の物差しで善悪を計り、1000人以上ものユダヤ人を救いました。

これは虐殺されたユダヤ人の数に比べたら雀の涙ほどの数だけども、この人たちにとってはシンドラーは神のような存在であり、彼のとった行動はまさに偉業でした。
彼の妻エミーリェも言っていますが、シンドラーはこんな時代だったからこそ力を発揮できたのだと思います。
この話がノンフィクションであることを想いながら、彼の行動を尊敬します。

★★★★

follow us in feedly

Pocket

トラックバックURL

トラックバック一覧


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。