「紫の砂漠」 松村 栄子

最も大好きなファンタジーの1つです。
最初からその世界観に圧倒され、次の瞬間には夢中になっていました。
シェプシが岩に寝そべって風と同化する感覚や、紫の砂漠が吹く風を肌で感じる感覚などがまるで自分のもののように思えます。こういう余韻に浸れる作品は本当に大好き。

それに「真実の愛」のエピソードも素敵でした。
子供たちは中性で生まれ、運命の相手と出会えた時に初めて<守る性>と<生む性>に分かれて、生涯愛し合う。運命の相手は会えばおのずとわかるもの。
子供たちはその時を夢見てドキドキする。
甘く幻想的な設定に惹き込まれました。

他にも「生みの親」と「運命の親」の制度についてや、3人の神の物語など、著者の作った世界がとても好きです。
もしも私が運命の旅に出るのだったら、書記の町か巫祝の森あたりに行ってみたいなぁ。
全体にどこか切なさと寂しさ、そして優しさを感じる物語でした。

月の光は銀の粒
ちらちら降ってひとを刺す
月の光は銀の粒
ちらちら降って地に降りつむ
蒼さが瞳につれたなら
掌で覆って隠すこと
光に埋もれて凍てつく前に

★★★★★

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