「水色の犬」 北方 謙三

北方さんの書く男の人はとても魅力的。
異性として惹かれるというよりも、人として惹かれるものがあります。
それは心に決して譲れない信念があるからかもしれないし、危険に飛び込んでいく勇敢さがあるからかもしれないし、その他にも惹かれる要素は数多くあります。

見ている分にはカッコイイけど、こんな人が彼氏だったら気が気じゃない。
愛されれば愛されるだけ幸せと同時に不安も増すような恋愛。
とても儚くてやってられない。
そう思う一方で、浮き沈みのない安定した恋愛に比べてこの恋愛は一瞬に詰まっているものがとてつもなく大きいのに気づいて、少しだけ羨ましくもなる。

全体的に素敵ではあるんだけど、ラストの素晴らしさはやっぱり格別です。
切なくなるとか、泣きたくなるとか、悲しくなるとか、そういうのを全部合わせたような気持ちになります。
その立場に立たなきゃわからないことはある。
そしてその立場に立った彼が言った言葉だからこそ響くものもある。

約束を、守れなかった。
大事な約束を守れなくて許されるのは、死んだ時だけだ。
祖父さんが言ったのか。それとも爺さんだったのか。

★★★☆

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