「ななつのこ」 加納 朋子

駒子はどこにでもいるような本が好きで、ドジな女の子。
ある日本屋で見つけた『ななつのこ』の表紙に惹かれ購入する。
それは童話のような謎解きのお話。本当は大切な謎はいくらでも日常にあふれていて、そして誰かが答えてくれるのを待っていたのです。

1冊なのに2度おいしい。
構成力に舌を巻きます。これがデビュー作なんて、信じられない気持ちです。
この小説のジャンルはミステリー。
だけど、ここで言う「謎」は密室殺人のような特別なものではなく、すごく些細な日常の謎です。
ちょっと目を向ければ私たちの周りにもあるようなものばかりです。

どの話も好きだけど、中でも私が好きなのは「白いタンポポ」の章。
読んだ多くの人がはっとさせられたのではないでしょうか。
頭ごなしに否定しないことは、とても大切ですよね。
この本はミステリーでありながら童話でもあると思うのです。温かい気持ちで読み終われます。

表紙の絵もまた素敵。
左に座っているのは間違いなくはやと君だろうけど、隣は誰だろう。
子供の頃の駒子ちゃんか、お姉さんか、もしくは真雪ちゃんか。
おそらく駒子ちゃんなのだろうけど。温かくて素敵。好きな本が増えることは幸せ。
だから、読み終えた今すごく幸せな気持ちです。

「あなた方は、家から学校へ来るまでに、土を踏みますか?」
愕然、という言葉が大袈裟なら、何か不意討ちにでもあったような気がした。


★★★★★

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