「僕らのご飯は明日で待ってる」 瀬尾 まいこ

体育祭の競技“米袋ジャンプ”をきっかけに付き合うことになった葉山と上村。
大学に行っても淡々とした関係の二人だが、一つだけ信じられることがあった。
それは、互いが互いを必要としていること。でも人生は、いつも思わぬ方向に進んでいき…。


久しぶりの瀬尾さん。
読んでいて、心にあかりが灯るような、温かさのある物語でした。
神様は乗り越えられる試練しか与えない、とはいえ、なかなか人生ハードモードな二人が、壁を乗り越えて一緒に手を繋いで歩いていく様子に、思わずやさしい気持ちになりました。

章を重ねるごとに少しずつ互いの呼び名が変わってきたり、二人の距離感がまた絶妙でくすぐったい。
それにしても、本当に随分と試練の多い人生に思わず理不尽さを感じずにはいられないけど、実際のところ人生なんてそんなもので、ままならない。
特に最後の山場は、読者である私ですら「なんでそうなるの」と悔しいやら可哀想やら。
でもそんな時、彼女が一人じゃなくてよかった。大切な彼女へわくわくしながら贈る本を選ぶエピソードが好き。それから、ふりかけの話も。

実際のところ、なんだって命ありきだよね、と改めて噛み締めながら、もし自分に何か辛いことがあったら、死にそうなくらいショックなことがあったら、もう1度この本を手にしたい。
辛いことがあっても、翌朝の食事に楽しみが見いだせたら、きっと毎日は随分明るくなる気がします。

なんでもオープンにすりゃ、誠実や思ってるなんて、若気の至りや。あほらしいで。  (p89)

★★★★

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