「幸福な食卓」 瀬尾 まいこ

「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」
冒頭の1行です。
瀬尾さんはいつも、「なになに、どういうこと?」と思わせ、読者を惹きつけるのに長けている気がします。
父さんを辞めた父さん。
独り暮らしを始めた母さん。
勉強もスポーツも万能なのに、大学に行かなかった兄。
ちょっと変わった登場人物が織りなす優しい物語でした。

瀬尾さんの書く男の子が魅力的で、たびたびキュンとしてました。
特別描写が詳しいわけでもないはずなのに、登場する食べものはどれもとても美味しそう。
それは食べものがいつも人の手を介して登場するからなのかな。
タイトルの指す「幸福な食卓」はきっと、家族で囲う食卓のことなのでしょうね。
人の優しさに胸がぽかぽか。

そんなに感情移入していないと思ったのに、意外にも結構泣きました。
12個のシュークリームで、再び心がぽかぽか。

「すごいだろ?気付かないところで中原っていろいろ守られてるってこと」   (p58)

★★★☆

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