「図書館内乱」 有川 浩

今回は連作風に、それぞれの登場人物にスポットライトを当てています。
登場人物の新たな一面が見れて、ますます大好きに。
どれもこれも大好きだけど、特に「美女の微笑み」「ロマンシング・エイジ」は最高でした(どちらか1つなんて、選べない)

まず、玄田×折口が非常にカッコいい。
お互いへの信頼、理解、尊敬、愛情が混ざって深みのある関係。
それぞれがしっかり自分の足で立っている上でのこの関係を、単純に「大人の恋愛」と一括りにしていいのかわからないけど、二人の関係がとても好きです。

そして、柴崎!
ソツなく完璧に見える彼女がそこに至るまで乗り越えてきたものを思うと、泣きそうになる。
強そうに見えて、実は弱くもある。でも、誰よりも強くあろうとする。そんな姿勢に惹かれました。
郁のまっすぐさは前作から知っていたはずですが、そのまっすぐ具合は私の思っていた以上で、ここまでいくと清清しい。
よく泣くし、社会人としてどうなの?というような暴走だってたまにはあるけど、堂上が言ってるみたいに「全員が笠原一士のようでも困りますが、笠原一士のような隊員が一人もいなくても困ります」というのは、その通りだと思いました。
本書の中でも、郁は希望の光に感じます。

そして、今回の恋愛模様、甘甘でしたね。
ベタな、チョコレートみたいに甘い堂上×郁も好きですが、桜餅みたいな甘さの小牧×鞠江も好き!身悶えしてしまう。
先に読んでいた「レインツリーの国」を思い出しつつ、楽しめました。
「レインツリーの国」を読んだら、再びこの本を読みたくなりそう。
たくさん笑わせてももらったし、いい1冊でした。

そして既に3,4巻目をキープしておいたのは、正解でした。
最後にまさか、あんな爆弾が用意されてたなんて。

「お膳立てされたキレイな舞台で戦えるのはお話の中の正義の味方だけよ。現実じゃ誰も露払いなんかしてくれないんだから。泥被る覚悟がないなら正義の味方なんか辞めちゃえば?」  (p70)

「本に難聴者が出てくる本を勧めるのが酷いなんて、すごい難癖。差別をわざわざ探してるみたい。そんなに差別が好きなの?」  (p141)

仕事の理想に殉じるなど、実際には難しい。大切な誰かに恥じない自分でいるために人は歯を食い縛れるのだ。  (p386)

★★★★☆

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