「ロミオとロミオは永遠に」  恩田 陸

日本人だけが地球に居残り、膨大な化学物質や産業廃棄物の処理に従事する近未来。
それを指導するエリートへの近道は、「大東京学園」の卒業総代になることであった。
しかし、苛酷な入学試験レースをくぐりぬけたアキラとシゲルを待ち受けていたのは、前世紀サブカルチャーの歪んだ遺物と、閉ざされた未来への絶望が支配するキャンパスだった。


<ネタばれ>

いろんなものがごちゃ混ぜになっている世界でした。絶望も希望も、未来も過去も、文化も何もかもが。
学園やアングラは元ネタがわからないまでも、そのごちゃ混ぜ感が楽しかったです。すごくイメージを大切にする作者さんなのかなっていう印象を受けました。

脱出の行方や、学園の謎、内通者の存在などが気になり、分厚いながらもその厚さを感じることなく一気に読み終えました。
結局、人間はどこまでいっても、どこに帰っても人間なんだなという気がしました。いい意味でも悪い意味でも。所詮人間は、刺激なしの生活に我慢なんてできないんだ。

結末はハッピーエンドなのかどうかわからないけど、個人的にはあまり好みではなかったです。あの「成仏する」は果たして本当に希望なんでしょうか。
残された世界の絶望は何1つ変わらないのに。
どれだけ脱走者が増えようとも、永遠にあの世界は変わらないままなのかもしれない。
エゴで空回りなロミオの人間らしさは、いつまでも私たちの中に存在し続けているように思います。

人間、戦わなくなったら終わりだぞ。

★★★★

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