「おしまいの時間」 狗飼 恭子

再読。
淡々と書かれてあるから読みすすめるのは楽だけど、本当は重い話です。
イズミは妊娠した子供の父親になってくれる人を探す為にデートを繰り返しているし、ワタルは先生が死んだあとはずっと学校を休学したまま、それにリカコは不倫をしている。

不幸じゃないけど幸福でもない場所というのは確かにあって、そこはすごく安定しているけど、いつまでもそこにいるわけにはいかない。
新しい場所に踏み出すのは怖いけれど、そうしない限り変化のないことに対する寂しさと日に日に強まる焦りからは抜けられないのだと思う。
私も、好きな人のバニラエッセンスのような存在になれたらと思う。

空気でも水でもなくて、ないと何かが足りないって思ってくれるようなそんな存在。

明日は晴れるだろうか、そう天気を気遣うように、明日は変われるだろうか、と思う。
明日私は変われるだろうか。世界は明日変わるだろうか。
明日こそ、おしまいの日なんだろうか。

ほかの人にはどうってことないことでも、あたしには、あたしの人生変わっちゃうくらい、大切なことだった。

本当につらい時、人は無理すらできない。

★★★☆

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