「西の魔女が死んだ」 梨木 香歩

まいは中学に進んでからまもなく、季節が初夏へと移り変わるひと月あまりを西の魔女のもとで過ごした。西の魔女ことママのママ。
まいはおばあちゃんから魔女の手ほどきを受ける。
魔女修行の肝心なかなめは、何でも自分で決めること。

女の子って本当に独特の付き合い方をする。
クラスには必ず仲良しグループが幾つかあって、その中にいれば安全で快適だけど、そこから外れるとそうはいかない。
仲良くなるために興味のない話題に一生懸命相槌を打つとか、行きたくもないトイレについて行くとか、そういうものがあさましく、卑しく思えてきたというまいの気持ちはとてもよくわかります。
一匹狼で突っ張る強さを養うか、群れで生きる楽さを選ぶか。
その選択は簡単なものではないはずです。

それに対して言ったおばあちゃんの言葉は、私が常に思っていることでもありました。
その時々で自分が楽に生きられるように生きればいい。そう思っているからこそ、私の今の友達関係には無理がない。

ラストの演出には思わず涙が出そうになりました。
本当に素敵なおばあちゃん。
彼女は魔女だけど人間であって、だからこそ欠点もあります。
そんな人間味溢れたおばあちゃんがまいに与えたものはとてつもなく大きなものだったように思います。

「わたし、やっぱり弱かったと思う。一匹狼で突っ張る強さを養うか、群れで生きる楽さを選ぶか・・・・・・」
「その時々で決めたらどうですか。自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、だれがシロクマを責めますか」

★★★★

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