「ぼくの小鳥ちゃん」 江國 香織

雪の朝、ぼくの部屋に、小さな小鳥ちゃんが舞いこんだ。
体長10センチ、まっしろで、くちばしときゃしゃな脚が濃いピンク色。
「あたしはそのへんのひよわな小鳥とはちがうんだから」ときっぱりいい、一番いいたべものは、ラム酒のかかったアイスクリーム、とゆずらないしっかり者。
小鳥と、ぼくと、彼女の少し切なくて幸福な物語。


久しぶりの江國さん。彼女の言葉がやっぱりとても大好きです。
童話のようでいて、何度でも読み返したくなる深みのある1冊。
全体に漂う冬のひんやりとした空気感も大好きです。

小鳥ちゃんは、大人びた小さな女の子のようでもあり、寂しがり屋の孤高の存在のようでもあり、一人の大人の女性のようでもあり。不思議な存在感を放ってました。
なんて自分勝手で自由なの、と思うこともあるんだけど、それでもいとおしくなる存在でした。

そしてイラストがすごく素敵。
小説をさらにキラキラ光らせてました。
小鳥ちゃんがびょうきになる場面や、心が広いと思っていたぼくが少しだけ嫉妬をする場面が特に好き。角田さんのあとがきも、とてもいいです。

小鳥ちゃんの寝息は小さくてウエハースみたいにかるい。  (p48)

★★★★

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