「きいろいゾウ」 西 加奈子

夫の名は武辜歩、妻の名は妻利愛子。お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う都会の若夫婦が、田舎にやってきたところから物語は始まる。
背中に大きな鳥のタトゥーがある売れない小説家のムコは、周囲の生き物(犬、蜘蛛、鳥、花、木など)の声が聞こえてしまう過剰なエネルギーに溢れた明るいツマをやさしく見守っていた。夏から始まった二人の話は、ゆっくりと進んでいくが、ある冬の日、ムコはツマを残して東京へと向かう。それは、背中の大きな鳥に纏わるある出来事に導かれてのものだった―。

とても言葉がきれいな本です。
穏やかな日常と、忍び寄る試練、大切なものへの愛情が詰まってます。

読み終わったら、心が温かくなります。
作中の絵本の話も、すごく好き。

ひとりじゃ、笑うことも出来ない。そして、泣くこともできない。

それは水道の水のように、蛇口をひねったらいくらでも出てくる言葉で、そして夏の日の陽炎のように、ぼんやりと頼りないものです。でもそれは、僕らが堂々とこの世界にいられる、日が暮れたら眠り、そして起き続けるための、とても大きな感情だったのだろうと思います。

★★★★

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