「ばくりや」 乾 ルカ

ご不要になったあなたの能力お取り替えします。
北の街の路地裏に、その店はあった―。ハンサムでもないのに異常に女にもてる、就職した会社が必ずつぶれる。古い自分を脱ぎ捨てるため、「ばくりや」を訪れた者たちの運命は。

インパクトのある装丁で、ずっと頭の片隅に残っていた本を図書館で見かけたので借りてきました。

不思議な洋館の扉には「ばくりや」と書かれた木札がかかっている。
店のチラシには、『あなたの経験や技能などの「能力」を、あなたにはない誰かの「能力」と交換いたします』とある。
首をかしげたくなるようなチラシながら、それを手にした主人公たちはみな、各自の能力に悩まされ続けてきて、そのチラシに一縷の希望を見出し「ばくりや」へと足をは運ぶ。

「女に異常に好かれる」「大食い」「すぐに泣き出してしまう」などなど、その能力はさまざま。
能力に限らずですが、突出した何かと折り合いをつけるのは結構大変ですよね。
交換した能力の方がいいものばかり!というわけでは全然ないのに、やっぱり「生まれながら持っていてどうにもならないもの」よりも「自分の意思で交換して手に入れたもの」の方がいいものだ、と思う人間の心理がおもしろいですよね。

一番好きだったのは、「さよなら、ギュレーション」
なかなか泣かせてくれます。誰に感情移入しても切ない。
どの話も基本的に軽めで手軽に読めるのがいいですよね。

それからオウムの登場には王道感があって、やっぱりここではオウムだよね!とすごくしっくり。
愛し合う男女が魔法をかけられたか何かで昼と夜にそれぞれ動物になって、同じ時間に人間として会うことが叶わない・・・みたいな物語があったけど、なんだったかな。

それはともかくとして、楽しく読めた1冊でした。

★★★

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