「神去なあなあ日常」 三浦 しをん

美人の産地・神去村でチェーンソー片手に山仕事。
先輩の鉄拳、ダニやヒルの襲来。しかも村には秘密があって…!?
高校卒業と同時に平野勇気が放り込まれたのは三重県の山奥にある神去村。
林業に従事し、自然を相手に生きてきた人々に出会う。

林業は斜陽産業、というのはよく聞く話です。
なり手がいなくて人手不足。なにしろ、他に選択肢があるのにわざわざ大変な道を選ぶことはない。
とはいえ、山に生きる昔ながらの男たちというのは格好よくて、自然とともに生きることの力強さに思わずじんとしました。

「なあなあ」(ゆっくり行こう、まあ落ち着こう)が口癖の村人たち。
木が育つように、焦らず、急がず生きること。
現代に生きていると忘れがちですが、何百年、何千年生きている樹木のそばでは、人間が世界の中心ではないこと、人間の力よりも大きなものがあることを感じずにはいられませんね。樹齢何百年の山とか、行ってみたいな。熊野古道とか夏に行きたい。
映像に適してそうと思っていたら、既に映画化もされているんですね、この小説。

そして世界共通のことですが、厳しい自然とともに生きる人たちの信仰心が、なんだかとても尊いものに感じます。お祭りの描写はなかなか壮絶で、個人的にはある場面の緑と白と赤の色合いがすごく頭に残ってて、美しかったです。
それから大好きなのは、犬のノコ。
忠犬ぷりがいじらしすぎて、かわいい。

正直、自分がこんな村で暮らすなんて想像もできないけれど、まるごと受け入れて暮らそうと覚悟を決めたなら、きっと自然とともに強く生きられそう。
人気作家がこんな風に林業にスポットライトを当てて本を書かれるのは、影響力もあっていいですね。

★★★☆

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「神去なあなあ日常」 三浦 しをん” への2件のコメント

  1. こんにちは^^
    しをんさんがテーマに挙げられるものっていつも結構マニアックで^m^知らないものばかりなのでその分野を勉強しつつ楽しめるのが好きです。
    林業についてもこの小説を読むまで知らないことばかりでした。住んでいる場所もあると思いますが林業は自分の生きている世界からは遠くて^^;
    現状を知ることも出来ましたし、出てくる人たちがとても魅力的で楽しく読みました。
    続編も面白いですよ^^ぜひぜひ。

  2. こんにちは~^^
    ピンポイントに1つの業界に光を当てて、その業界にいる人も、全く知らない人にも嬉しい作りになっているのがいいですよね。
    好奇心を刺激される作品、大好きです。笑
    林業は、私も本当に縁遠いですねぇ。。育ったのが島国なので林とか森自体結構縁遠くて、でも逆に憧れもあったりして。
    実際のところ自然に寄り添う部分には厳しさが多大にあるんだろうけど、登場人物の魅力がばっちり伝わって重くない作品でよかったですね。
    続編ー!読みたいです、すごく。そして映画もちょっと見てみたいところです。

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