「ミュータント・メッセージ」  マルロ・モーガン

一人の白人女性は、招かれ、アボリジニ部族<真実の人>とともに砂漠を歩く旅に出た。言葉を介さず通い合う心、手を触れるだけで癒される体―灼熱の大地で体験する目をみはるような出来事の数々。
その中で、ひとつずつ気づかされていく本来の地球と人類の姿。そして120日間の旅の末に彼女が到達したものとは――。

読書会で話題に出て、気になったので読んでみました。
普段私たちが生活している価値観とまるで違う世界を持つアボリジニーの哲学や不思議が満載です。

テレパシーとか、骨折した骨が撫でると治るとか、普通に生活していたら「そんなの起こりえないよ!」ということが、こういう世界ではもしかしたらありえるのかも、なんて思わされる迫力がありました。

アボリジニーの文化はとても不思議で、だけど言われてみればそういう考えもあるのか。。。ということばかり。
例えば、赤ん坊のときにも名前をつけられるけど、成長するにつれて自分にふさわしい名前を選びながら変えるところ、誕生日を祝うのではなく(なぜなら年は誰もが自然にとるものだから)、自分がより良くなった時に自らそれを伝えてお祝いをすること、地上のすべてのものには理由があって存在すると信じていること・・・などなど。

まるで違う環境、文化でありながら、根底では何か通じるところがあるのか感じ入ることも多かったです。
彼らは私たちにテレパシーができないのは、100%を相手に晒すということができないからだと言います。
テレパシーは伝えたいことを伝えたい人に伝えるというより、相手にすべてが伝わってしまうもの、であるなら、そんな力がまだ残っていたらとてもじゃないけど現代を生きていけない。仕事をはじめ不特定多数の人と関わる時には本音と建前を使い分けなきゃいけない場面もあるし、誰に対しても一切の裏表がなく100%をオープンにできたとたら、それは厳しくもとてつもない自由なんだろうなぁと少し羨ましく思いました。

アボリジニーに限らず厳しい自然の中で生きている人たちには、なんだか共通する哲学があるように感じます。自然に対する全幅の信頼や感謝と、自我に囚われない心持ちがとてもかっこよく思えます。

最初はノンフィクションとして刊行して批判を浴びた、嘘のような出来事もたくさん書かれていますが、本当にこれは事実としてあったことなんだよと言われても納得してしまうような説得力があって、全国で長くベストセラーであり続けたのが頷けます。
世界観が変わる、とまでは言わないけど、一読の価値がある1冊でした。

★★★★

「賢い選択をしなさいよ、なぜなら自分がこうしたいと願えば必ずそうなるんだからね」 (p38)

7つのとき信じたことを37才でもまだ信じるとしたら人生から得るものは少ない。古い考えや習慣や意見はむろん、ときには仲間さえ脱ぎ捨てることが必要だ。捨てることは人間にとって非常に難しいレッスンでもある。 (p122)

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