「スノーピーク「好きなことだけ! 」を仕事にする経営」 山井 太

熱狂的なファンのいるアウトドア用品メーカー、スノーピークの山井太社長による初の著書です。

スノーピークは世界に先駆け、SUVで自然の中に出かける「オートキャンプ」のスタイルを生んだ会社として知られます。
「自分たちが本当にほしい製品」だけを作ることで、それまでなかった「自然の中で豊かで贅沢な時間をすごすアウトドアの楽しみ方」を確立してきました。

本書はスノーピークが培ってきた開発から販売までの具体的な手法とそれを支える考え方、ブランドづくりの歩みまでを一気に公開。
「新しい会社の姿やワークスタイル」が浮かび上がります。

熱狂的なファンが多いことで知られる、高級アウトドアブランド「スノーピーク」
アウトドアショップでよく見かけるスノーピークのロゴマークですが、とことんまで利用者目線に立った経営理念や、「好き」を追求した商品開発について、あまりの熱意に圧倒させられました。これは、ファンが増えるわけですね。

タイトルにあるとおり、「好きなことだけ!」を仕事にする、というのは、なんて羨ましく素敵なんだろう!と思うけれど、当たり前ながら自由な分の責任や厳しさが凄まじいです。そして、それを超える程の「好き」という気持ち、真っ直ぐなブレない信念が眩しかったです。

世間のニーズ調査をしたり競合他社の商品を研究したりして、「世間が求めている商品を世に出す」というのが王道かと思いますが、自分が欲しいものを追求して、「新しい価値を生み出す」ということを貫き通すのがすごいです。
当たり前ですが、世間に合わせた商品でない以上、それが広まるのには時間がかかるかもしれないし、広まらないかもしれないというリスクもある。
それでも、まずは自分が誰よりも商品の価値をわかっていて、本当にほしいものを作り上げる、というのは、とてもわくわくすることでしょうね。

本書の端々にブレない想いが見られますが、「他社が右に進んだら、あえて左に進む勇気を持つ」スノーピークが、これからどんなスタイルを世に送り出してくれるのか、楽しみしかないです。

印象的だったのは、自分が欲しい商品を世に送り出しながら、それで満足するのではなく、ユーザーの声を聞く姿勢を取り続けるところ。売れなかったときに、「この価値をわからない世間が悪い」となるのではなく、「売れないのには理由がある」と考えていくところ。
昨年株式も上場されているし、これからの活躍が本当に楽しみな会社です。

それまでにないことに取り組む以上、過去や現在を調査しても意味がない。
新しい価値観を生むために、徹底的に考えなければならない。
これは「自分たちが持っている選択の自由を正しく行使する経営」と言えるだろう。
(No.1392)

★★★★

follow us in feedly

Pocket

トラックバックURL

トラックバック一覧


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。