「もう誘拐なんてしない」 東川 篤哉

大学の夏休み、先輩の手伝いで福岡県の門司でたこ焼き屋台のバイトをしていた樽井翔太郎は、ひょんなことからセーラー服の美少女、花園絵里香をヤクザ二人組から助け出してしまう。
もしかして、これは恋の始まり!?いえいえ彼女は組長の娘。
関門海峡を舞台に繰り広げられる青春コメディ&本格ミステリの傑作。

テンポよく軽妙な東川さんの小説は、事件が起こるミステリーでいながらユーモアたっぷりで毎度のことながら笑わせてくれます。

韻を踏んだリズミカルな掛け合いと九州の方言がこんなにも絶妙にマッチするなんて!と驚きです。
文体がとにかく読んでいて心地いい。

さて、内容はといえは、狂言誘拐(とその他もろもろの事件)
主人公はごく普通の大学生、そしてヤクザの娘。
ヤクザの物語って、読むたびに思いますが、外から見ると怖い集団ですが、身内に対しては優しくも頼もしかったり、任侠たっぷりだったりしますよね。
本書に登場するヤクザたちも多分に漏れず。
中でも皐月(厳密に言えば彼女はヤクザではないけれど)が、すごくカッコよかったです。姐さん!と呼びたくなるカリスマ性。

舞台も内容もいかにもドラマにぴったり!でも、それだとトリックがな・・・なんて思っていたら、しっかりドラマ化されてました。トリックの部分はどうやって映像化したんだろう。

大学生の一夏の思い出、という言葉では収まらないような大冒険が読める、読んだ後気持ちがちょっぴり軽やかになるようなユーモアミステリーでした。

★★★

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