「笑う警官」 佐々木 譲

札幌市内のアパートで婦人警官の遺体が発見された。

容疑をかけられたのは、交際相手として同じ部署に所属する警官。

射殺命令が出される中、彼の無実を信じ動き出す人たちがいた。


もともとは「うたう警官」というタイトルの小説が文庫で改題されたもの。
冒頭で「私はうたっていない」と残し自殺する警官の話など出てきますが、「うたう」とは何ぞや・・・?と思えば、【証言する・密告する】という意味なんですね。
本小説で重要なキーワードです。
テンポよく物語は進みますが、タイムリミットがあるので緊迫感もあり。

映画化しやすそう!と思っていたら、既に映画化されてました。
警官も人間だけあって過ちも犯すでしょうが、捜査する機関側が過ちを犯していた場合、その解明は結構厄介ですよね。
警察=正義、って認識があると余計に糾弾対象にしにくいでしょうし。

この小説の題材が実話をベースにしているのもおもしろいところ。
下地にあるのは互いにリンクしていた、警察の裏金事件と銃器・覚醒剤所有事件。
きっとその事件でも、隠蔽しようとした警官もいれば、事実解明に奔走した警官もいたんでしょうね。
登場するキャラクターもいきいきしてます。
佐伯のような、頼れる司令官はかっこいいですね。上司に欲しい。
毎回「今言うな」ってタイミングで親父ギャグを飛ばす植村もすごい。

警察の世界をちょっぴり覗けて、とても楽しかったです。
シリーズなのは、嬉しいところ。続編も期待してます。

「正義よりも大事なことがあるってことですね」
佐伯は首を振った。
「ひとの生命より大事な正義なんてないってことだ」
小島百合は、納得してうなずいた。
  (p317)

★★★☆

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