「代筆屋」 辻 仁成

売れない小説家である主人公が、以前行っていた「代筆屋」
手紙を通して繋がる、人と人を描いた物語。

手紙が大好きです。
小さな頃から友人と手紙を送りあったりしていました。
なんというか、手紙だからこそ伝えられる、手紙じゃないと伝わらないものっていうのもあると思います。

なかなか自分以外の他人にあてた手紙を読む機会なんてないため、フィクションとはいえ楽しめました。
最初は「代筆屋」なんて・・・手紙は自分で、自分の言葉で書かないと意味がないんじゃないか、と思いました。

ところがそれも作中の手紙を読んで、少し考えが変わりました。
手紙は鏡のようなもの、と著者は言いますが、本当にその通りだと思います。

言葉にするとたった一言で終わるようなことも、手紙にすると何枚にもなったりするからおもしろいですよね。
その増えた分こそ、相手への優しさや思いやりなのかなと思ったりします。
この本が生まれたのは、編集者からの手紙がきっかけというのも素敵です。

代筆屋さんって、実際にいるのかな?と調べてみたら、この本をきっかけに代筆屋をはじめられた方がいることに驚きました。
手紙を書くのに躊躇いがある人や自信のない人でも、どうしても伝えたいものがあるのであれば代筆屋に頼むのも悪くないのかもしれませんね。

「手紙というのは人と人の距離や時間や蟠りを上手に埋めてくれるものなんです」   (p113)

★★★

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