「ようこそ、わが家へ」 池井戸 潤

真面目なだけが取り柄の会社員・倉田太一は、ある夏の日、駅のホームで割り込み男を注意した。
すると、その日から倉田家に対する嫌がらせが相次ぐようになる。花壇は踏み荒らされ、郵便ポストには瀕死のネコが投げ込まれた。さらに、車は傷つけられ、部屋からは盗聴器まで見つかった。
執拗に続く攻撃から穏やかな日常を取り戻すべく、一家はストーカーとの対決を決意する。

一方、出向先のナカノ電子部品でも、倉田は営業部長に不正の疑惑を抱いたことから窮地へと追い込まれていく。
直木賞作家が“身近に潜む恐怖”を描く文庫オリジナル長編。

週末の読書にもおすすめです

いやー面白かった!一気読みです。

最近どうも本を読む気にならなくて、読みかけの本が何冊も溜まっている状態で、この本もきっとそうなるんだろうな・・・なんて思っていたら、全然そんなことなく。
1日も経たずに読み終えました。おもしろかった。

ホームへの割り込みを注意した後に相次ぐようになった嫌がらせ、というプライベートにおける試練と、
出向先の中小企業で見つけた、営業部長の不正の疑惑、というビジネスにおける試練。
どっちもハラハラドキドキ。
解決の糸口が見えてくるにしたがって、ページを進める手が速まります。

ネタバレになることは言及しませんが、印象的だったのは不思議な程人と人の繋がりみたいなものを作品全体を通して感じられたこと。
普段私たちは何者でもない人間として社会に点在しているけれど、それがひょんなことで繋がって結ばれて、時に集まっては離れて、そんなイメージが脳裏に残りました。
ハラハラするサスペンスで社会の暗い面を映し出しながらも、何か温かなものが根底にあることに救われました。

ところで池井戸潤さん、お名前はよく見かけますが初読みな作家さんでした。
銀行の描写がとても詳しくて、調べてみたら、やっぱり元銀行員の方だったんですね。(そしてかの有名な半沢直樹シリーズもそういえば池井戸さんが原作でしたね)
友人に借りて読めた1冊でしたが、人から勧められると読書の幅が広がっていいな、と改めて感じた次第。

善とか悪とか、一言で振り分けないところもいいですね。何か救われるように感じたのは、そういう一面が本書にあったからかもしれません。
週末の読書にぴったりな1冊でした。

★★★★

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