「バッテリー」 あさのあつこ

この1冊を書き上げたとき、わたしはマウンドに立っていた。異議申し立てをするために、自分を信じ引き受けるために、定型に押し込まれないために、予定調和の物語を食い破るために、わたしはわたしのマウンドに立っていたのだ。

―――あとがきより

そうだ、本気になれよ。関係ないこと全部すてて、おれの球だけを見ろよ。

第35回(1997年) 野間児童文芸賞 受賞


ずっと楽しみに本棚で温めていた1冊です。
読む前から絶対にいいものだってわかっていたので、もったいなくてすぐに読めなかったシリーズです。

低空飛行な今の時期、読んだら元気になるかなと思って読んでみたら、元気になるというより・・・心の底まで何かが染み込んで浄化されました。
美しいものを見ると自然と心が動くような、そんな感覚です。

今度中学生になる天才野球少年「巧」と、喘息があって病気がちな弟「青波」
そして、引っ越した先で出会った少年「豪」
巧と豪の年齢は13歳。ちょうど一番澄み切っていて、それでいて尖っていて、少し苦味が混じりはじめたような年頃でしょうか。

驚かされるのは、巧の真っ直ぐなプロ意識、というか好きなものをとことんやるという姿勢。
中学生って、正直もう子どもじゃないですよね。
まだまだ感情と向き合うのが上手くないところもあったりするけど、真剣に物事を考えられるし、挫折や失敗が少ないから真っ直ぐに自分を信じられる。
一方で、彼らなら挫折をしても真っ直ぐ進んでくれるんじゃないかと思わせてくれるようなひたむきさがあって。

病気がちで今まで運動はあまりしてこれなかったけど、すごくたくさんのことを考えている青波も、
くまさんみたいに大らかで優しくて、頼もしい豪も、
これからの成長が楽しみな人ばかり。

まだまだ物語は始まったばかりで、これからどんな出会いを繰り広げていくのか楽しみで仕方ないです。
1冊ずつ丁寧に読んでいこうと思います。

★★★★

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