「スコーレNo.4」 宮下 奈都

自由奔放な妹・七葉に比べて自分は平凡だと思っている女の子・津川麻子。
そんな彼女も、中学、高校、大学、就職を通して4つのスコーレ(学校)と出会い、少女から女性へと変わっていく。
そして、彼女が遅まきながらやっと気づいた自分のいちばん大切なものとは…。
ひとりの女性が悩み苦しみながらも成長する姿を淡く切なく美しく描きあげた傑作。

おすすめです!

これは、ものすごく、よかった。
ずっと家に積んでいた本の1冊ですが、まさかこんな掘り出し物が眠っていたなんて。いまだ余韻が残ってます。

本書は、一人の少女の成長の軌跡を綴った物語です。
行間に風を感じる軽やかで物腰のやわらかい文体。
等身大の日々が丁寧に描かれ、押し付けのない距離感。
読んでいて、ものすごく居心地がいいです。

そして、それぞれのステージで語られる家族のこと、恋愛のこと、仕事のこと。
どれもが重くなく、さらりとしてる。それでいて求心力があるから、胸を打つ。
どんな風に表現すればこの質感を伝えられるのかわからないけど、今まで読んだ宮下さんのどの作風とも違ってました。まだ、ドキドキする・・・。

どのステージもいいけれど、特にNo3とNo4はいい。
原石が磨かれて光っていく様・・・というのは、なんて心地いいものなんでしょうね。
家族の話も、恋愛の話も、仕事の話も、どれもこれもが本当にいい。とくに厳しくもブレない祖母やとびっきり大人な茅野さんがお気に入りです。

心が荒んだらまた読み返そう。
胸を爽やかな風が通り抜ける気持ちのいい読了感でした。おすすめです。

どうしても忘れられないもの、拘ってしまうもの、深く愛してしまうもの。そういうものこそが扉になる。
広く浅くでは見つけられなかったものを、捕まえることができる。
いいことも、悪いことも、涙が出そうなくらいうれしいことも、切ないことも、扉の向こうの深いところでつながっている。 “(P310)

★★★★★

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「スコーレNo.4」 宮下 奈都” への2件のコメント

  1. yocoさん、ご無沙汰しております!

    この作家さん、よく名前は目にしますが、未読なんです。
    普段、ミステリやSFなど非日常な作品ばかり読んでいますが、
    yocoさんオススメのこの作品は、是非読んでみたいな~♪

    相変わらず積読本ばかりが増えていく今日この頃です。
    今年は転職してバタバタしていましたので、なかなか本が読めず…
    来年こそは積読本をしっかり消化していきたいです*^^*

  2. nanacoさん、お久しぶりです^^

    こちらの作家さん、日常を丁寧に描くすてきな作家さんなんですよ~!
    中でも私は、この本が一番好きです!
    見かけたらぜひぜひ読んでくださいませ~♪

    そして転職されたんですね!おめでとうございます^^
    私も10月11月は本が積み上がるばかりでしたが、最近やたらと本が読みたい欲が加速してて、やらなきゃいけないことはあるんですが、現実逃避したいのかついつい手が本に伸びてしまう日々です。。。w
    お互い年末年始はすこしゆっくりと本が読めたらいいですね~^^

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