「帝国の女」 宮木 あや子

大手テレビ局「帝国テレビジョン」での仕事に昼夜、オンオフの区別はない。
恋も夢も曖昧なまま、それぞれの“戦場”に向かう日々――。
憧れと現実のあいだで揺れる5人の女性の生き様がここにある。
リアルにビター、だけど必ず前を向きたくなるお仕事小説!

元気になれる、お仕事小説

テレビ業界を舞台に、戦う5人の女たちの物語。
というと、少し語弊があるでしょうか。
宣伝、ドラマのプロデューサー、脚本家、女優のマネージャー、TV誌の記者。
仕事に恋愛に人生に翻弄されながらも、強く逞しく生きる様がとても格好よかったです。

あまりテレビを見ない私からすると、テレビ業界というのは縁遠いものですが、とてつもない激務だということは知っています。
休みがほとんどない激務ながら、希望する人が後を絶たないのはそこへ夢や希望を持っているからなのでしょうね。想いがあればどんなことでも乗り越えられる、というわけではないでしょうが、泣きながらも前に進む彼女たちが本当に輝いていて。

まず魅力なのは、それぞれの恋愛。
元カレだったり、俳優だったり、同性だったり。
正確には「恋愛」という言葉ではくくれない、愛情。
十人十色といいますが、同じ恋愛は1つとしてなくて、恋愛相手もまた個性豊かに描かれているから本当に人の恋バナを聞いているかのようで。
みんなどこか不器用でもどかしく感じたりもするのですが、冒頭の元カレみたいにどこまでも器用な感じもまたいけ好かない。でも、ああいう対応に揺すぶられる松国の気持ちもわかるなあ。ずるい。

それから仕事。
30代前後の登場人物が多くて、もう若手ともいえない彼女たちがもがきながら頑張る姿に元気づけられました。
宮木さんのお仕事小説って、元気がでます。
それにしても、みんな有能。
デキる女子たちばかり。それでも上手くいかないことがあるのが仕事の、そして人間関係の難しいところですね。脇坂Pと元同期女子の絡みも地味に胸に刺さってます。泣ける。

なんというか、彼女たちには幸せになってほしいなあと思わずにいられない。
今は彼氏なんていらない、と潔く言える山浦もカッコイイし、自分で幕を下ろした彼女も、想いがあるのにすれ違いばかりしてしまう彼女も、みんなみんな幸せになればいいと思う。

夜明けの装丁も素敵ですね。まるで知らなかったテレビ業界の内情が知れたのもとても楽しかったです。考えたことがなかったけど、ドラマの制作費が1話あたり約4千万円とかテレビ誌の紙面ができるまでとか。

★★★★

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1.帝国の女 宮木あや子

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2.『帝国の女』/宮木あや子 ◎

いやもう・・・宮木あや子さん大好きだわ、私(笑)。 タイトルが『帝国の女』なんていうガッチガチなものなので、お堅い系か不穏系かと思いきや、「帝国テレビジョン」という放送…


「帝国の女」 宮木 あや子” への4件のコメント

  1. こんにちは~^^
    この本のお話が出来るの凄く嬉しいです。
    出てくる女性5人ともそれぞれ自分の道を模索しつつも邁進していてかっこいいなと思いました。
    自分のブログでも書きましたが、私は特に山浦に物凄く共感しまして。
    私もどちらかというと恋愛や結婚よりもやりたい仕事をして、そこで評価される方が嬉しいなと思ってます。そうなりたいです。
    ドラマ1話四千万は私もびっくりしました。
    どうもドラマを1クールも見るのが苦手で^^;でも1度見ようと思ったものはちゃんと見なくては!と思い直しました^m^

  2. こんばんは~^^
    同じようなタイミングで読んだ本の感想が読めたの、私もすごく嬉しかったですw
    山浦もよかったですよねぇ。この道、って決めた道でひたむきに頑張る姿って、いいですよね。自分もこんな風になりたいなって思います。
    仕事に信念持って取り組んでる人とかめちゃめちゃカッコイイ。。。
    ドラマ、私も見ないんですよーw
    同じ時間にテレビの前にいることも、わざわざ録画を取って後から見ることも面倒で・・・見れば楽しいのはわかってるんですけどね。なかなか気が向かず。
    それでもこれだけのお金と情熱をかけて作られてる、と知ってからはまた見る目が変わりそうです。

  3. yocoさん、こんばんは(^^)。
    私もあんまりTV見ない人なんですが、これからは「番組制作に関わる人たちの健康」を祈りながら見ることにします(^_^;)。
    デキる女子たちが、頑張って頑張って、ちょっとだけ報われて、前を向いて仕事に立ち向かっていく、素敵ですよねぇ。憧れますが、明らかに私には無理ですな(笑)。
    脇坂Pの同期とのエピソード、すごくよかったですよね!うるっと来てしまいました。

  4. 水無月さん、こんばんは~^^
    なんか、読んでるだけで泣きたくなるような、心の底から元気になれるような、最高のお仕事小説でしたね。テレビ業界で働くすべての激務な方々、ほんと尊敬します。
    だからこそ、どうか報われてほしいなぁと思わずにいられないんですが、報われても報われなくても、きっと頑張ってる彼女らをわかってくれる人はきっといるよ!と心が熱くなりました。
    宮木さん、好きすぎる…
    脇坂Pと同期のエピソードもよかったですよね。水無月さんの感想読んでたら、また読みたくなりました。。笑

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