「書店ガール」 碧野 圭

「この店は私たちが守り抜く!」

27歳の新婚書店員と、40歳の女性店長が閉店の危機に立ち向かう。
書店を舞台とした人間ドラマを軽妙に描くお仕事エンタテインメント。本好き、書店好き必読。

元気が湧いてくる傑作お仕事小説

軽い気持ちで読み始めたら、止まらなくなった1冊です。

独身アラフォー副店長の理子と、はねっかえり部下の亜紀と衝突は、読んでいて心がトゲトゲしましたが、こういうの、あるよねぇと友人の話を聞いているかのように読みすすめました。

どちらが悪いというより、間が悪くてぶつかってしまう。すれ違いで誤解が解けない。
職場に限らず、他人との付き合いなんて、きちんと言葉を交わさないと伝わらないことばかり。
自分に余裕がないと周りにも優しくできないものですね。人間だから、嫉妬もしてしまうし。

理子の失恋の絶望感は共感しすぎて苦しかったくらい。まして、父のこともあり、仕事のトラブルもあり、自分の無力感を前にそれでも立ち上がる彼女が本当に格好よくて。

亜紀の方は亜紀の方で、彼女もまた仕事にプライドを持って働く素敵な女性なんですよね。
今は男女ともに働く人が多い時代ですが、仕事に誇りを持つほど、譲れないものが生じてくるし、それで夫婦がぶつかってしまうのは切ないですね。それでも、それだけ真剣になれることがあること自体は、きっとすごくいいことなんでしょうね。

女性の敵は女性、とはよく言いますが、社会ではまだまだ男尊女卑な人もいれば、可愛がられる存在としての女性は許せても、同じ土壌に上がってくる女性には厳しいという男性もいる。
女性が社会で活躍するには、越えるべきハードルがいくつもあるのかもしれないですね。私は歯を食いしばって耐え抜くよりも、本書のように仲間と協力しながら前に進んでいきたいな、と思います。

物語の後半は、読んでいて心が温かくなるばかりでした。私の最寄駅にも高齢のご夫婦がされてる小さな本屋さんがありますが、こういう場所もすごくいいですよね。書店員さんのこだわりも本書からいろいろと読み取れて、電子書籍もいいけれど、やっぱり紙の本、そして本屋さんはいいなあと嬉しくなりました。

驚いたことに続編が4まで刊行されてるようで、まだまだこの世界を楽しめそうです。読めてよかった。著者の他の作品もぜひ読んでみたいところです。

★★★★☆

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1.『書店ガール』/碧野圭 ◎

本屋さんのお話、しかもアラフォー女性副店長が主人公、ときたら読むっきゃないでしょう!という事で読み始めた『書店ガール』。 碧野圭さんは、初読み作家さんです。 最近、ホン…


「書店ガール」 碧野 圭” への2件のコメント

  1. こんばんは(^^)。
    楽しかったですね!何とかお店を盛り上げようと、全く性質の違う二人が補い合いながら進んでいく様子は、とても気持ちよく読めました♪
    私は「3」まで読みましたが、どれもとても共感できる作品でした。
    絶対おすすめデスよ(*^^)v。

  2. 水無月さん、おはようございます~。
    ほんと、めっちゃ楽しかったです!こんな本屋さん素敵ですよね~^^
    最初は水と油くらいに思えた二人ですが、共同戦線組んでお店をよくしていくのが本当によくて。真っ直ぐで不器用なところとかは、案外似ているのかもしれないですね。なんて思ったり。
    水無月さんは3まで読まれたのですね~!舞台が本屋さんというところでもう嬉しくなっちゃいますよね。絶対おすすめだなんて、絶対読まなきゃ。楽しみです(*´▽`*)

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