「県庁おもてなし課」 有川 浩

高知県庁に実在する「おもてなし課」
県外から来る人を増やし、あたたかくもてなすために奔走中。
が、悲しいことに、悪気はなくとも、彼らはどこまでも「お役所」だった。


前々から読みたくて買ったにもかかわらず、買ってからも楽しみすぎてなかなか読めなかった本です。やっと読めました。
読み終わるのがもったいない、と思いつつも、一度ページを捲ったらもう止まりません。一気に読み上げちゃいました。今回もすごく最高でした。

物語そのものもよかったけど、地域復興を応援するその郷土愛溢れたところにとても圧倒させられました。
有川さんは、入浴剤付の文庫本「ほっと文庫」でもシリーズの他の入浴剤は香料のみなのに、馬路村のゆずを実際に使ってますよね。そもそも題材が高知の馬路村ですし。
人気作家だからできることは、すなわち自分に何ができるかを真剣に考えた結果ですよね。
この本の印税も東北関東大震災の義援金として寄付されますし、想いを行動に移すその力に本当に心を動かされました。

そして物語の方ですが、男性陣のかわいさとカッコよさ、またそのギャップにやられました。反則なほど誰もが魅力的。
それから方言がいい。本書の最後の対談でも有川さんが言ってますが、私も小さなまちで育って、当時ははやく出たかったけどもその良さに気付けたのはそこから離れてからです。
当事者にとっては見慣れたものでも、光る原石となるものはきっと周りに溢れてるんでしょうね。これは地域復興を頑張る人たちにとってまるでエールのような本ですね。

それにしても描かれてる公務員のぐだぐだっぷりは、半分実話というのも、それをしっかりネタにする有川さんのしたたかさも合わせて笑えます。
「民間感覚」がないというのはきっと、公務員からしたら耳に痛い言葉でしょうね。
そりゃあ、生き残るために時間の無駄も、経費の無駄も削ることに一心不乱な民間からしたら甘い部分はたくさんあると思います。
その一方で彼らの情熱が本物なこと、素直さや実直さに溢れてることに心が熱くなります。

最後の「・・・けんど、光はある!」のキャッチコピーを作った話はノンフィクションのようですしね。
表紙もこの小説の魅力を十分に表していて大好きです。タンデムやりたい!高知に行ってみたい!すごく楽しく読めた一冊でした。

新幹線はない。
地下鉄はない。
モノレールも走ってない。
ジェットコースターがない。
スケートリンクがない。
ディズニーランドもUSJもない。
フードテーマパークもない。
Jリーグチームがない。
ドーム球場がない。
プロ野球公式戦のナイターができん。
寄席がない。
2千人以上の室内コンサートができん。
中華街はない。
地下街はない。
温泉街もない。


金もない。
・・・けんど、光はある!

★★★★☆

follow us in feedly

Pocket

トラックバックURL

トラックバック一覧


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。