「闇の守り人」 上橋 菜穂子

幼かったバルサを育て、鍛えてくれた養父ジグロ。
彼が死んでから必死に目をそらしていたものとしっかり向き合うために、バルサは生まれ故郷であるカンバルへ向かう。しかし、道中の闇の洞窟で子どもの悲鳴を聞いたバルサは子どもの命を助け、それにより新たな運命へと巻き込まれていく。


精霊の守り人 」を読んだのが9年前。
常に貸出し中で、予約なんて制度も知らず、当時は学生でお金もなく買えず、半ば忘れ去られ今まで読まずにきました。
先日図書館に行った際に全巻揃っていて感動。速攻借りました。思えば、もう出版から10年も経ってるんですね。それでも魅力は全く色褪せません。
「精霊の守り人」も再読した上で、わくわくしながら読みました。

上橋さんの描く世界観がすごく好きです。
大人になってから出会った「獣の奏者」は外伝まですべて買い揃えたほど。
今回は舞台がカンバルです。バルサがとうとう過去と、自分としっかり向き合います。同じシリーズでありながら新ヨゴ皇国とはまた違った世界が描かれているのが印象的です。
「小さな狩人」や「闇の守り人」などファンタジー要素も盛りだくさんですが、子どもだけじゃなくて大人も楽しめる深さもありました。

もう1つの世界を感じられたら、世界はまるで違って見えるんでしょうね。
ラストではその世界の広がりを感じられて、まるで目の前がすっと開けたような温かく泣きそうな気持ちになりました。
「闇の守り人」の正体にも、「最後の扉」の意味にも、深い余韻が残りました。

改めて、なんて素敵な世界を描くんだろうと思わされます。
これだけファンタジーでいながら、きれいごとで終わらず人間の非情さ、ずるさ、醜さも描き出しているのがいいですよね。それが悪役的王様一人に留まらず、誰もが負の感情を持ちうることを主人公クラスの人間で示しているのもいい。
読み終わりたくない素敵なシリーズをこれからも読むことができて幸せです。残り6冊。大事に読みたいと思います。

★★★★★

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1.闇の守り人 上橋菜穂子

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「闇の守り人」 上橋 菜穂子” への2件のコメント

  1. こんばんは。
    私も前作から7年も空いてから再び読み始めました。
    読むのがもったいないと思ってしまったのがいけなかったんですね。読まない方がもったいないのに。
    この作品はシリーズの中でも子どもよりも大人の支持が高いというのが分かる内容でした。
    先日3冊目を読み終えましたが、こちらも本当に面白かったです。
    噛みしめて残りの作品も読もうと思いました^^

  2. 苗坊さん、こんばんは^^
    読まない方がもったいない、と思いつつも、読み終わってしまうのももったいないと思いながら、いまだ手にできてない本が山のようにあります。でも、読み切ったらやっぱり、ああ読んでよかったなあってなるんですよね。
    上橋さんといえば、「鹿の王国」も楽しみすぎて未読です。
    ファンタジーはもともと大好きですが、こんな風に大人が読んでも心から楽しめるファンタジーの存在って、私の中でとっても大きいです。
    そういえば、守り人シリーズは先日ドラマ化もされてましたね。
    この先もわくわくすること間違いなしなので、ぜひぜひ楽しんでください^^

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