人間の代わりに「八咫烏」の一族が住まう世界「山内」で、優秀な兄宮が廃嫡され、日嗣の御子の座についた若宮。
世継ぎの后選びには大貴族の勢力争いが絡み、朝廷は一触即発の異常事態に陥る。
そんな状況下で、若宮に仕えることになった少年・雪哉は、御身を狙う陰謀に孤立無援の宮廷で巻き込まれていく…。
読み終わってしばらくは、ドキドキが止まらない
寝る前にちょっと、読もうと思った。
翌日から仕事なのに、読み終わって時計を見たら午前1時だった。
おかしい…こんなはずじゃ。
でも仕方ない、若宮の出番がたくさんあると聞いていたけど、まさか前作と表裏一体なこんなにもおもしろい物語だったなんて。期待以上でした。
<ネタバレがあります>
本作の主人公は若宮の近習、雪哉。
若く賢い、一人の青年でした。
前作を読んでいなくても十分におもしろいと思うけど、前作を読んでいたからこそわかる「あの時こんなことが起こっていたのか!」というような、種明かし感がものすごく面白くて、読むのを止められませんでした。
若宮は間違いなくうつけではないけど、優しいけど、誤解されやすいタイプですよね。言葉が足りない。
実際は違うのかもしれないけど、わかる人がわかってくれさえすればいい、と見える様が危うい。
楽しめるポイントは多々ありますが、個人的には後半の雪哉や敦房の心理描写に心を乱されました。
雪哉の自分を「こう見て欲しい、こう扱って欲しい」という希望が叶わなかったと八つ当たりする様ははたから見ていると「甘い」以外の何ものでもない。
けど、自分が認めていないものを受け入れるのは容易じゃないし、駄々をこねたくなるのもすごくよくわかる。
それから盲目な敦房。相手のため、と言いながら、信じながら、相手に寄り添わない思想。すごく自己中心的でありながら、自分では「相手のことを考えて動いている」と信じきっているのが、すごく危ない。
人は自分の信じたいように物事を信じる傾向にあるから、これは案外他人事じゃない気がします。「美しい言い訳」で誤魔化さずに自分と向き合う強さが欲しいものです。
そして、最後のシーンも心動かされました。金烏が抱えているあまりにも大きな責任と、それが故の存在意義。
若宮の見ている視線の先があまりにも遠くて、切なくなりました。大事だから死んでほしくない、と願う雪哉の気持ちもわかりますしね。
前作は世界観と物語の運び方に圧倒させられましたが、ミステリー要素や心理描写まで絶妙だなんて、著者は一体どれだけ多才なの…。
読了後しばらくドキドキして眠れませんでした。
★★★★☆
yocoさん、こんばんは~(^^)。
お読みになりましたね♪
前作とは打って変わった、男の政治の世界。
この書き分け、阿部さんてすごいですよねぇ。
若宮のムチャ振りに振り回される雪哉が、可愛くてたまりませんでした(^_^;)。
3作目も、すごいですよ!ドキドキしながら読めます!
4作目、まだ図書館の順番が回ってこないのですが、とても楽しみです♪
こんばんは^^
あら、寝不足になってしまったんですね。それはそれは^m^←
そうなんですよ~
あの熾烈な花嫁争い←の裏であんなことやこんなことが起きていたんですよ~。
若宮がなかなか来なくてなんでだ!と1作目を読んでいた時は思いましたが、ちゃんと理由があったんですよね。
この作品は最初1作目の続編だと思って読み始めたので最初は拍子抜けだったのですが^^;若宮の雪哉をはじめとする周りの関係がちゃんとわかって良かったです。
水無月さん、こんばんは~^^
読みましたよー!いやー、まさかの展開でした。
ほんと、男の政治の世界ですね。前作はばっちり女の世界を書いたと思ったら、この書きわけっぷり。
雪哉は、かわいかったですよねー。笑
若宮に振り回されっぱなしで、若宮も悪気はないのはわかるんだけど、ちょっと、こうもっとなんかあるでしょう!と思っちゃう。言葉が足りないー!
ええ、3作目もすごいんですか・・・!!
えええええ楽しみすぎる・・・(´;ω;`)
4作目既に出てるのも嬉しいですね^^
苗坊さん、こんばんは~^^
そうなんですよ、ばっちり寝不足で・・・仕事始めの日、ばっちり眠かったです。笑
私も続編だと思ってたらまさかの展開で。
そうきたか!!という感じです。
3作目は一体どんな展開になるのか想像もつかない。
若宮が来ない理由も、理由を改めて聞くとなるほど、確かにそうだよな~と若宮の優しさが垣間見れますが、待ってる花嫁候補の身としては切ないですよね。
いや、でも政治的なことが絡むからきっと、単なる好き嫌いじゃ済まないんですよね。
どんどんこの世界のことを知れていって、読んでいて嬉しい限りです^^