「ささらさや」 加納 朋子

突然の事故で夫を亡くした、さや。
生まれたばかりのユウ坊と二人残されるも、不思議な奇跡が起きだした。
ささら、さら―
その魔法の音色が聞こえたら、それは彼が助けに来てくれる合図。
幽霊になってもそばで見守る夫と、馬鹿正直に必死に生きるさやが彩る優しく切ない物語。


読み始めて数十ページ、第一章目で泣きました。
交通事故って、本当に理不尽に人の命を奪う。事故後のさやの境遇は、かける言葉も見つからないほど。
だけど何よりも涙を誘ったのは、夫の深い愛情。
「ばかっさやめ。すぐに人を信じるんだから」
言葉は悪くても、ものすごく温かい気持ちが溢れる夫の言葉の数々。

ミステリーのような、ファンタジーのような物語はさすが加納さん。
佐々良のまちも、周りの個性的な登場人物もいいですね。
おばあさんたちの言葉の遣り合いもいい。
内気でよわよわに見えるさやですが、実は芯がありますよね。
自分のためよりも誰かのために強くなれる人なんでしょうね。

どうやら続編で「てるてるあした」というのがあるらしくて、そちらもすごく楽しみ。
ラストもやっぱり涙腺を刺激されて、相当切なくなりました。
でもきっと、これでよかったんだ。
切ないけれど、すごい温かい、優しい話でした。涙なしに読めないです。

だが、より小さくか弱い存在を庇護する立場にある者にとっては、弱さは単なる能無しの代名詞でしかない。それがよくわかった。  (p308)

★★★★

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