「野獣の都 〔永遠の戦士 ケイン〕」 マイクル・ムアコック

物質移送機なるものを開発したアメリカ人科学者。
自分自身を使って実験したところ、予定通りにいかずになんと、飛ばされた場所は太古の火星だった。
2000年もの時を生きる人々が暮らす、美しくも文明的な火星での物語。


40年以上昔に書かれた本ですが、設定や世界観はとても好きでした。
特別斬新で、というわけでなくとも、火星の美しさや地球にはない魅力を描いているところにとても惹かれます。
その一方で、登場人物が好きになれなかったことや物語に突っ込みどころが多かったせいで、どうしても楽しむことができませんでした。

この本の主人公はそれなりに強いとはいえ、ほとんど全てのことを「結局運がよかった」みたいな展開で解決されると、もやもやした気持ちが残ります。都合良すぎない?と思わずに入れないのです。
主人公が最強な物語は多くあるし、それはそれでいいと思うのですが、これはそういったものとはまた少し違うように感じました。
また、「え、そんな一言で解決できちゃうの?」というものから、「え、何その展開?」というものまで、突っ込まずにはいられず、読んでいて少し疲れました。最後の方は「どうせこういう展開で、こうなるんじゃないの?」とやさぐれた気持ちで読んでしまったため、あまり楽しめませんでした。世界観は素敵なのに!

解説で、この1冊イコール・ムアコックと思われちゃうと困ると書かれていたのが気になるところ。著者の作品の中でも、当初は別名義で書いていたこともあり一風変わった作品なのだそうです。
余談ですが、いろいろと「何その展開」というのがある中で、重要なネタばれにならない範囲で1つご紹介。
牢屋に閉じ込められた主人公。ところが・・・なんと、その牢屋は野菜を入れるために作られたものらしい。近くにあった堅くない木の棒を手で削って、なんとか閂を開けて出られた。 という展開があるのですが、それ牢屋じゃないじゃん、というところから、野菜入れのための牢屋とはいえ、都合良く木の棒って!(そしてドアの間にはちょうどいい隙間がある)、しかも手で削るって!みたいなところまで、納得できず。

1度や2度ならともかく、万事が万事こんな感じなので最後までもやもやしながら読むことになるなりました。自分には合わなかったみたいで、残念。

「もっともっと冒険はつづくような気がするね!」  (p450)

★☆

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