「顔 Face」 横山 秀夫

“ふけいさんになる”
小さい頃からの夢を叶えた瑞穂。
だが、警察社会で投げられる言葉は冷たい ―「だから女は使えねぇ!」
それでも、似顔絵婦警として犯罪者の心の闇を追いかけていく。

さすがは横山さんというくらい、ミステリーとしておもしろい。
犯人は誰だ、ヒントはないか、と主人公と一緒に頭を悩ませる。
そこに人間劇が入ってくるのだけど、この人間劇の方がいまいちでした。

単純に主人公が好きになれなかっただけなのですが。
「女は嫁に行けばいいが、男はそうはいかない」という認識の人間が大半の県警は、働く女性にとって居心地のいい場所とは言えないでしょうね。
女性に対する扱いの酷さに腹が立ったり、結局甘さが抜けない主人公に憤ったり、登場する女性一人一人に思うところもありました。

私だったらどうするだろう、と気付くと考えてしまう場面がいくつもでてきました。
でも実際は、女性だから、とか、男性だから、とかではないんですよね。
そんなことにも本筋で触れているのがいい。

登場人物では、いい意味で自然体でいられる板垣が素敵。
主人公を好きになれなかった理由は、あまりにもギラギラした正義感ゆえかもしれない。そのくせ、弱くて甘さの残るところとか。少し、もどかしかったのもあると思います。
実話じゃなくても警察のドロドロしたところ、女性同士のギスギスしたところは、見ていてあまりいい気分じゃないですね。それでも、ミステリーとしてはやはり読みどころ満載でした。

★★★☆

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