「婚外恋愛に似たもの」 宮木あや子

愛したひとは、2.5次元。35歳人妻、夫以外の男に溺死寸前。

容姿も、家族も、社会における立ち位置もバラバラの5人の女の共通項は、35歳。夫あり。そして男性アイドルユニット「スノーホワイツ」の熱狂的ファンであること。
女の本音に溢れる宮木あや子の“最凶恋愛小説”!

だから、その都度埋めていけばいい。

とあるアイドルグループで活躍する子が好き、という共通点で繋がっている5人の女性。
頂点、底辺、平凡、と異なる層で通常ならば交わらないであろう女性たちがある1つの輝きをもとに集う。

毎度思うことですが、本当に宮木さんの守備範囲は広い。
BL小説の描写まで出てきてびっくり。
意外な感じはもはやないですが、ただただ感心するばかりです。一体どれだけいろんな世界に興味があるんだろう。

さて、作中に登場する女性ですが、みな住む世界が違って面白いですね。誰も彼もが個性的。
下からは上がよく見えないし、上からは下を見ようともしない、という階層分けされた社会がリアルですね。
上にいくほどにポジティブなのも興味深い。
むしろちょうど階層の狭間にいる方が軋轢が生じて厄介かもしれないですね。セレブの子が公立の学校に通おうとしていじめられる、みたいなことも、あるかもしれないですね。

とはいえ、どんな階層にいようと、キラキラ輝く夢や宝物のような存在があることで、幸せと思える瞬間が確かに存在するのでしょうね。
完璧な人ばかりではないから、ふいに虚しくなったり、寂しくなったりするだろうけど、やっぱり幸せな瞬間があることで生きていてよかったって思えるはず。

人生のパートナーがいること、子どもがいること、あるいは一人で生きていくこと、いろんな形があるけれど、どんな生き方をしてもそれを肯定していけたらいいですね。

何でも1番で、好きなもののために道を作り出す隅谷さんも、
上から3番目だけど不器用でクールな桜井さんも、
とことん平凡だけど娘を守る最高の母親である山田さんも、
口が悪いものの息子を大事に思う益子さんも、
妄想を昇華させて仕事にまでした片岡さんも、
それぞれが違う世界で懸命に生きてるんだなと、ところどころに散らばる鋭い言葉に刺されながらも思った次第です。

それから、もし人生やり直すことができたら、何歳に戻って何をしたいか、なんて話が出てましたが、私は、人生やり直せるとしても、やっぱり過去に戻りたいとは思わないなあ…と何度考えても同じ結果になることに、誇らしいような、寂しいような気持ちになりました。

ところで、
「会釈し、私は(゚∀゚)←こんな顔した彼女たちの前を通り過ぎた。」って描写に笑いました。
これ確かに、変に回りくどく描写するよりも一発でどんな感じかわかる、最高の表現ですね。

私は仕事でもプライベートでも言葉に出して人を責めたことは1度もありません。起きてしまったことは取り戻せない、ならこれから先どうすれば1番幸せになれるのか考える方が建設的でしょ。 (p26)

★★★★

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1.『婚外恋愛に似たもの』/宮木あや子 ◎

・・・わぁぁぁぁぁ!!!う、あううう、うくく・・・。 ちょっと宮木あや子さんたらッ、思いっきり笑っちゃったじゃないのよもう!んもう~、宮木さん、好きだわぁ。なんかもう、…


2.婚外恋愛に似たもの 宮木あや子

婚外恋愛に似たもの著者:宮木あや子光文社(2012-10-18)販売元:Amazon.co.jpクチコミを見る オススメ! 愛したひとは、2.5次元。35歳人妻、夫以外の男に溺死寸前。 容姿も、仕事も、家族 ...


「婚外恋愛に似たもの」 宮木あや子” への4件のコメント

  1. yocoさん、こんばんは(^^)。
    あからさまな「格差」をものともせず、スノーホワイツを愛しているという一点で団結?!している5人の女たち、素晴らしかったですねぇ。
    彼女たちよりはちょっと(ちょっとかな~(笑))年代が上ですが、あるあるネタもたくさんで、笑い転げながら、それでもちょっぴり切なくなったり、心温まったりと、素晴らしい物語でした。やっぱり宮木さんは素敵です♪

  2. こんにちは。
    色んな境遇の女性たちが出てきて面白かったですね。35歳女性ったらホントいろんな立場の方がいますし、でもそんな中でも共通している自分の生きがい。
    周りに何を言われても、生きがいがある人たちは強いと思います。今回出てきた5人もそうですよね^^
    私も人生をやり直したいならいつに戻りたいかというところは、過去には戻りたくないと答えます。
    あの時は良かったと思う時もあったけど、でもこれからの未来はもっともっと良かったと思う時が来るはずだと信じたいです。

    ちなみに、宮木さんの守備範囲は広いですが、この作品は宮木さんが好きな某アイドルグループが元ネタなので得意分野だったと思います^m^

  3. 水無月さん、こんにちは~^^
    そうなんですよ、普通だったら接点がないであろうくらい全然違うのに、共通点があるとこんな風に結びついたりできるものなんだなって、楽しく読みました。
    好きってパワーは大きいですね。
    宮木さん、ほんと幅も広くて、次はどんな小説だ?!って毎回わくわくが止まりません。笑
    ほんとに楽しく読めました♪

  4. 苗坊さん、こんにちは~^^
    全然違う境遇の人たちが登場するけど、どの人たちも興味深くてわくわくしました。
    >周りに何を言われても、生きがいがある人たちは強いと思います。今回出てきた5人もそうですよね^^
    私もこれは、ほんとにそう思います!
    上手くいかなかったり、逆にあの頃はよかったって思うこともあるけど、いろいろあっての今ですからね。それに未来はもっと明るいって思えたら今も大事にできる気がします。
    やっぱり宮木さんもアイドル好きなんですね・・・!朝井リョウさんの「武道館」でも感じましたが、好きじゃないとこのキラキラ感は出せないんじゃないかってくらい、読んでて心地よかったです^^

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