「とにかくウツなOLの、人生を変える1か月」 はあちゅう

毎日を鬱々と過ごすOLの奈緒が会社を休んだ日、表参道で出会った真っ白な建物。
「メンタルジム・ヒカリは人生を激変させたいあなたのための場所です」――書いてあったメッセージに、奈緒は思わず足を踏み入れた。
奈緒を迎えたカウンセラーは、なんと人気モデルの中条ヒカリ。
早速、容赦ない質問攻めをしてくるヒカリにひるむ奈緒だが、問いに答えていくうちに、漠然とした不安の正体が見えてくる。

「決意は目に見える形に」
「事実を変えられなくても、意味付けを変える」
「時間がほしければ、通勤時間を長くする」――すぐに実行できるヒカリのアドバイスで、奈緒の生活は少しずつ彩りを取り戻していき……。

心と体、仕事、恋、お金、人間関係……働く全女子に必要な言葉とヒントがここにある。

悩みは、生きている証。


手にしてすぐに、丁寧に作られた本だというのがわかるこの1冊。中身を読む前に、紙に触れて、カバーを外して、細部までのこだわりに感動しました。本当に大事に世に送り出したんですね。
数多の本を出版されているはあちゅうさんですが、小説は本書がデビュー作。ずっと「小説を書きたい」と、いろいろなところで言っていたので、楽しみに待っていました。

毎日なんだか充実しない、体がしんどい、そんな欝々した気持ちを抱えたOLが、不思議なジムでゆっくりと自分に向き合っていく物語です。

体形、仕事、時間、お金、家族、恋…人を悩ますものはたくさんあって、主人公奈緒もいろんなところに満足できず、もやもやしてる。その悩みは共感できるものばかりで、誰もが通る道なのかもしれません。

しんどい時はついつい被害者意識が芽生えてしまったり、もし~だったら…と逃げ道ばかり考えてしまったり、はっと気付くと思考がループしていて、視野がとてつもなく狭くなっていることがあります。
そういうときは、一息ついてゆっくり休むようにしていますが、気付かないまま心がこわばっていたり、自分の力でマイナス思考から抜け出せなかったりするようなときは、こんな本がとてつもなくありがたいです。

私は著者の「半径5メートルの野望」もすごく大好きですが、あちらはカンフル剤のようなもの。エネルギーをチャージしたい時に最高ですが、心が弱っている時は眩しすぎて手に取れない。
反してこちらは、浄化剤。読んでいて心が浄化されるし、静けさを取り戻せる。もやもやしたものが頭の大部分を占めているときって、追い詰められてる感がひどくて消耗するんですが、実は落ち着いて1つずつ整理していけばその全貌は大したものではないことが多い。
そう思い出させてくれるのが本書です。

柔らかく素敵な言葉ばかりですが、悩みは生きてる証というフレーズが特に好きでした。何1つ悩みのない人生もいいと思うけど、悩みながらも自分なりの解決策を見つけていく人生の方が、しんどいけれど満たされる気がしています。

正解はないけど、選んだ結果が今の人生で、将来を作るのは今の行動、そう思うとやる気が出てくる気がします。

自分が幸せだって認めるのって、勇気がいることなのよ。
不幸せだって思い込んで自分を憐れんで、安全地帯から動かなければ、傷つくことはないから。  (p74)

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