「虚空の旅人」 上橋 菜穂子

隣国サンガルの新王即位儀礼に招かれた新ヨゴ皇国皇太子チャグムと星読博士シュガは、“ナユーグル・ライタの目”と呼ばれる不思議な少女と出会った。
海底の民に魂を奪われ、生贄になる運命のその少女の背後には、とてつもない陰謀が―。


大好きなチャグムが再び登場!
「まあ、前に会った時よりも随分と成長して!」と、まるで親のような心境になりつつ読みました。なんていい子に育ったんだろう。
今回は舞台が南国ということもあり、開放感溢れた美しい世界でしたね。
今までの舞台ももちろん美しくはあるのだけど、この世界の新たな一面に触れることができてわくわくしました。もうこの世界にとことん魅せられています。

首謀者たちである島守りは本当にばかだ。なんて思いつつ、結構気持ちがわからなくもない。
見えない自分を守る力よりも、目の前に見える脅威の方が現実的だものね。妻への愛情がないのではなく、愛情があるからこそ妻の態度が気に障る、というのもわかる。でも、考え方が子どもだし、見え方が浅い。と思うのは結果を知っているからなのかな。島国をまとめあげるって、本当に難しそう。

あまりにも優しすぎる者に国のトップは務まるのか。
チャグムにしても、タルサンにしても。人の期待を裏切らないし、誰かを見捨てたりもしない。
それは理想であるけれど、政治的駆け引きも必要になってくる中で優しさだけじゃ務まらない。
新ヨゴ皇国にしても隣国サンガルにしても現国王はとても非情だ。
非情というか、シビアなのだ。国を守るためには、情があっても切り捨てる勇気も必要なはず。

そう思っていたけど、やはり厳しさだけじゃなく優しさもあってほしい。
見捨てない、裏切らない、と思える人の元にいれたら、それはすごく幸せなことなんだと思います。
このシリーズが大好きすぎて、読むのが本当に幸せ。

★★★★

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