「負けない技術──20年間無敗、伝説の雀鬼の「逆境突破力」 桜井章一

「納得」と「満足」―――
同じような言葉だが、人生においては満足ではなく、納得していくことが大切なのだ。

10万部突破のベストセラー待望の第二弾!
勝ちにこだわるから欲望に支配され、醜く、卑しくなる。「かっこよく負ける」ことが結果として「負けない」に繋がるのだ。雀鬼の勝負哲学に「本当の強さ」を学べ 。

驚くほどに、澄んでいました。

20年間無敗。
雀鬼と呼ばれ世に名を馳せた著者が語る、負けない技術。

麻雀はしたことがありますが、20年間無敗って…
あり得るの…?と驚いたと同時に、どんなことを考えている人なんだろうと気になって読みました。
勝ち続ける人なのだから、もっとギラギラしているのかと思いきや、語られていたのは自然体のしなやかな内容。

「勝ちたい」に代表される欲は際限がない。
自然界を見渡しても、動植物には「勝ちたい」が、ない。
あるのは本能的な、「負けない」という普遍的なスタンス。

勝ち続けた著者がたどり着いたのは、「絶対に勝つ」という強い気持ちなどではなく、「いい勝負をしよう」という、敵も味方、という境地。
試合は相手との共同作業。麻雀で言えば、自分以外の3人は戦うべき敵と考えそうなものですが、4人で1つのチームなのだという感覚で戦うのだそうです。
そこにあるのは、慈愛の眼差し。

また、コントロールすべき「怒り」についても書かれています。
試合は感情的になった方が負け、なんてよく言いますが、そもそも著者は怒りというのは、“被害者意識”からきていることが多いといいます。
それを弱めるために必要なのは、”加害者意識”を持つこと。「自分にも悪いところがあるんじゃないか?」と思うだけで、猶予が生まれ、被害者意識からくる怒りは随分と収まったりする、というのです。
確かにそのとおりですよね。
何かに対して怒っているときって、「自分は悪くない、相手が悪い!」みたいな思想ですし、実は自分だって悪いところがあるかも、と考えられたら怒りの感情は和らぎそう。

それから印象に残っているのは、「得意技を磨くより、不得意を克服したほうがいい」と述べてるところ。
不得意なことを克服したほうが、その相乗効果によって、自分の”間口”がどんどん広がっていくといいます。
私も受験などでは捨て科目を作らずに苦手な科目も頑張って取り組みましたが、投げ出さないでよかったと今でもしみじみ感じています。
かといって不得意なものとばかり向き合っているのは大変なので、著者のように苦境大歓迎!でない私としては、得意なものも伸ばしたいし、たとえそれが中途半端だとしても、両極端でなくバランスよくいたい。

ある種、達観したような視点でもって書かれた本書は、新鮮でした。
一周回ったらこんな境地にたどり着けるのかな。

「平常心とは、なにがあっても揺れない心」と多くの人が解釈していると思う。だが、私の平常心に対する解釈はちょっと違う。私の考える平常心とは、日常という「常」を大事にすること。日々の暮らしを大事にする、そんな当たり前の気持ちこそが平常心なのだ。 (p154)

★★★☆

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