「ギンイロノウタ」 村田沙耶香

私となんの関係もないあなたを、私は殺したい。

成熟を夢見ながらも無差別殺人衝動に襲われていく内気な少女の極限の姿を描いた表題作。
そして殺傷行為を恋愛感情とクロスさせる女子大生のラブ・ストーリー「ひかりのあしおと」。

――「誰が身震いせずにいられよう」と絶賛を浴びる注目の作家の、圧倒的なエネルギーを湛えた二作品を収録する小説集。

生々しく、怖い。とにかく、怖い。

いつか、読んでみたいとずっと気になっていた村田沙耶香さん。
なかなか過激な設定のものが多いというのは聞いていました。だから、恐る恐る手に取り、読んでみました。

ちょうど体調を崩していたときだったからでしょうか。
読み終わった後に心臓がばくばくして、恐ろしい世界に引き釣り込まれていくようでした。
これは、心身が弱っているときに読んではいけないやつだ。

「ひかりのあしおと」と「ギンイロノウタ」の2編が読めます。
どちらも喋ることが、自己表現が、苦手な女の子が主人公。
そんな彼女らに世界は優しくなく、彼女たちから見た世界は目眩がするほど生々しく、読んでいるだけで気持ちが悪くなってきさえする。

食事の一節だけでも気持ちが悪くなってしまえる自分がいた。

虫の卵を大量に茹でたような白米、水彩絵の具を塗りつけたサランラップのような大量のレタス、古い機械油みたいなドレッシング


終始こんな調子で、描かれる世界にくらくらと酔ってしまう。小説は小説に過ぎないとはいえ、著者がこんな感性を持ちながら今まで生きてこれたのだとしたら、ものすごいことだ、と思ってしまうくらい、読んでてしんどくなってしまった。

では、もう著者の本なんて読まない!とか、著者とは合わない!と思ったかというと、それは違う。
体調のいい日にまたいつかリベンジしよう。
自分の目では絶対に触れることのない世界に触れる、強烈な体験でした。

★★

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