「容疑者Xの献身」 東野 圭吾

天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。
彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、2人を救うため完全犯罪を企てる。
だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。
このミス1位にも輝いた直木賞受賞。


何度読んでも、いいものはいい。
大好きな小説の1つです。内容を忘れた頃に読んでは泣いて、やっぱり良本だとしみじみ感じます。
孤高の天才同士の知の掛け合いや友情も見処ですが、ミステリーのトリックや何よりも深い愛情に感動せずにいられません。

最初は動機にしてもトリックにしても、どうして??と思うことばかりだったのに、最後はすんなり全てを納得できてしまう。
気付くと登場人物に深く共感してしまう、というのは東野さんの筆力故でしょうか。本当に彼の小説はミステリーの枠組みを越えて人間描写が素晴らしいですよね。

読み終わった後も頭の中で再現されるシーンがあまりにも多くて、苦しくも切なくもなります。
人が生きる意味、生かされてる意味、考えさせられますね。そして、何気ないその人の行動が誰かを闇の底から救う、ってことはありますよね。
その時に生まれる感謝の念や世界が色付く様子を、想像するだけで涙が出てしまう。
石神さんみたいな数学の先生、いたらとても素敵。

私も子どものどうして?に答えられる大人でありたいし、そうなれるように成長していきたい。
誰にでも胸を張っておすすめできる一冊です。

人は時に、健気に生きているだけで、誰かを救っていることがある。  (p386)

★★★★★

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