「共喰い」 田中 慎弥

第146回芥川賞受賞作 ―― 「共喰い」
舞台は、昭和63年。17歳の遠馬は、怪しげな仕事をしている父とその愛人・琴子さんの三人で川辺の町に暮らしていた。
川辺の町で起こる、逃げ場のない血と性の臭いがたちこめる濃密な物語。


納得の芥川賞受賞作。
表題作を読んで、あまりの鋭利さに震えました。
普段ぼんやり眺めている世界を、鋭い感性の眼鏡をかけて見せられた気分。
ずっと、ドキドキしながら読んでいました。

そして、読んでいて怖い。
内容が、というよりは、閉塞感と狂気溢れる世界が迫ってくるようで怖かったです。
なんて独特に世界を見る人なんだろう。なんて上手く言葉を使う人なんだろう。
嫌いだけど惹かれてしまうのと似ていて、読了感がいいわけではないのに、気になってしまう。
第三紀層の魚もまた、どっきりするような鋭い描写で作家の才能に酔いしれました。

読めてよかった。けれど、次の作品を手にするのは少し勇気が必要かもしれない。

★★☆

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