「コスメティック」 林 真理子

バブル後のキャリア女性を取り巻く現実に直面し、打ちひしがれる主人公・沙美だが、自らの人生をあきらめられない。
「仕事でも恋でも百パーセント幸福になってみせる」そこから沙美の“闘い”が始まった。


「私はもう一回這い上がることができるんだろうか」
30代キャリア女性が、化粧品業界を舞台に闘う夢と本音と現実を浮き彫りにしたベストセラー小説です。

時に自分を重ねたりして、かなりわくわくしながら読みました。
化粧品業界の内部事情が、フィクションかノンフィクションかわからなくなるくらいリアルに感じます。いかにもありそう。
見えない上下関係、笑顔での駆け引き、計算による人間関係。
30代女性の仕事、恋、結婚、決して清いばかりじゃない分リアルなことが詰まってます。

今、仕事がすごく楽しい。
だからこそ、余計に主人公の話がリアルに感じたのかもしれない。
もちろん人にもよるでしょうけれど女性は男性よりも、結婚、出産が仕事に与える影響が大きいですよね。その両立って、本当に難しく感じます。
登場する男性陣もいいところを突いていて、エリート銀行員、二枚目ディレクター、そしてワイン通の装丁家。

長年付き合った結婚相手とのエピソードがとてもリアル。
恋愛なんて冷めだしたら、恋愛以上に楽しいことを見つけてしまったら、終結しか待っていないのかもしれないですね。
「恋をするということは、その男の現在をひとり占めすることだが、結婚するということは、彼の過去も未来もひとり占めにすることなのだ」って、名言ですよね。
登場する男性陣に対して、舌を巻くこと、腹を立てることのなんと多かったことか。30代キャリア女性の仕事という観点でも、異性関係という観点でも、非常におもしろく読める作品でした。

「昔からよく言われることやけどね。じゃ、安い化粧品で効果あるかっていうことなんよ。
二千円の美容液つけて、女がほんとに綺麗になるかどうかゆうたら違うんとちゃうの?
自分は一万五千円のもんつけてる、自分はそれだけの価値がある女だっていう思いが、女を綺麗にするんと違う」
  (p75)

★★★★

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