「モンスター」 百田 尚樹

町で一番の美女・未帆はかつてバケモノと呼ばれていた。
醜い女が完全なる美を獲得した先にあるのは誰もが羨む幸せか、それとも破滅か。


女性の美とその力について書かれた作品は少なくない。
美容整形を取り扱っている面では、姫野カオルコさんの「整形美人」も衝撃的でした。
美しい人はお得!誰もが知っていながら、日常生活であえて口に出されないそのことを、これでもかと取り上げた本書。
美人にこそ読んで欲しい。それに、いわゆる特別美人でも不細工でもない人ほど、こういったことに無頓着なのかもしれない。

容姿は人が生きていく上で人生を左右する程のものであることを、つくづく感じます。
お金は武器にも防具にもなるけれど、美貌はきっと武器なんだと思います。
無防備に飛び込むには、この世界は難易度が高い。
これは単なるシンデレラストーリーではなく、命を削るようにして幸せを掴みにいった女性の話だからこんなにも胸に届くのかもしれないですね。

ラストが切ない。
文中に、早稲田や慶応が第一志望だった人にとってそこに入れることは幸せだろうけど、東大に落ちて行くことになった人にとってはそうじゃないかもしれない、とあったように物事は見方によって、違う。
ラストは幸せを手に入れたとも、手に入れられなかったともとれる、リアルな終わり方でした。
映画も観てみたい。
個人的には崎村が大好き。たまに手にとって読み返したくなる一冊でした。

本当に魅力的な笑顔は決して自然には生まれない。
誰も気付いてはいないが、実は人の笑顔は「演技の賜物」 なのだ。  (p341)

★★★★

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