「半落ち」 横山 秀夫

「妻を殺しました」
現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。
動機も経過も素直に明かす梶だが、殺害から自首までの二日間の行動だけは頑として語ろうとしない。
梶が完全に“落ち”ないのはなぜなのか、その胸に秘めている想いとは――


何度目かの再読。とても大好きな1冊です。
「妻を殺しました」
そう出頭してきた警察官。動機も経過も素直に吐いた。
なのに、殺害から自主までの2日間に関しては黙秘。

“半落ち” ――その裏にある想いとは。
この物語、いきなり最後のオチを読んだらもしかすると、
ふーん。で終わるかもしれない。
この物語の素晴らしさは、謎に迫り答えがわかる最後じゃなくて、その過程に隠れているように思います。

警察官、新聞記者、検察官・・・横山さんだから書ける現場のリアルさが下地になかったら、こうも胸に響かなかったかもしれない。
次は誰が語り手になるのかわくわくしながらページを捲りました。
ギスギスした世界を経てたどり着いた答えが、こんなにも優しいなんて。
忘れた頃にまた読みたい。
そう思える本が本棚にあることが幸せです。

★★★★★

follow us in feedly

Pocket

トラックバックURL

トラックバック一覧


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。