「わたしの彼氏」 青山 七恵

恋は理不尽。恋は不条理。
繊細美男子、鮎太朗。女は皆彼が好き。
けれど刺したり貢がせたりした挙げ句、彼を振るのだ。
かかる女難は何の因果か。恋愛の不思議をユーモラスに綴る傑作長編。


へたれ美男子鮎太郎と美人3姉妹、そしてメンヘラ女性陣。
今の時代ならではの、ふわふわした毒ガスみたいな物語でした。
冒頭から登場する女性に対して、なんて嫌な女。と思ったのも束の間、次々に個性的な女性が登場します。
そんな子、やめなよ。はやく離れなよ。
そう主人公に言いたくなる。誰もかれも大ばかだ。
なのに、ちょっと憎めない。
そのくせ、女性陣の気持ちがたまにわかったりもして、
嫌になるくらい自分の病んでる部分をじくじく刺激してくる。

本書は大学生のもつ独特な空気感がよく出ているなと思いました。
あの人生の中でも自由で憂鬱で退屈で混沌とした時間。
そして、著者は相変わらず比喩が美しくて的確。
思いもつかない表現をするのに、目にするとそれしか最適な表現はないんじゃないかと思えるくらいすっと理解できる。

すこし、好きな人と散歩をしたくなる。海にいきたくなる。
毒抜きをしに。

幸せとは、状態のことではなくて、瞬間のことだ。 (p69)

★★★

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