「高台家の人々」 神埜明美

妄想するのが大好きな、平凡な女子社員の木絵。
社内の憧れの存在・高台光正から、なぜか食事に誘われ、とんとん拍子にお付き合い開始。
実は光正は、人間の心が読めるテレパスで…!?

思わず笑える、楽しい妄想

人の心が読める一族と妄想癖のある女の子の物語。
友人が面白いよと話していて気になっていた1冊。貸してもらって読んでみたら・・・これは、相当おもしろい。
それでいて物語が進むにつれてちょっと考えさせられたりして。

原作は漫画で、それが映画化されて、本書はその映画のノベライズ。
とにもかくにも、主人公である木絵の妄想がぶっとんでいて、本当に面白いんですよね。突然に妄想が始まるし。

以下、引用。

(どうしよう。エレベーター、突然止まったりしたら…)
人は緊張に晒されるとストレスを緩和するために脳から変な物質が出るらしい。木絵の場合はたぶんそれが顕著なのだ。
(そう。このビルは既に占領されていて……エレベーターが止まるのは、もちろんダドリー卿の仕業なの)
7階に行くはずのエレベーターは突然、途中の階でガクンという衝撃とともに緊急停止した。驚いて立ち尽くす二人の目の前でゆっくりと扉がスライドして開くと、目の前にあったのは真っ白な逆光の中に佇むダドリー卿と、ロープでぐるぐるに縛られた上に彼に銃を突きつけられている脇田課長の姿だった!(脇田課長は1人二役)

…とか!
もう、頭の中で一体どんな世界を繰り広げてるの!と、こちらまでにやにやしちゃう。

人の心の中が読めたら生きにくいでしょうねぇ。
でも同時に、自分の心を読まれても相手と添い遂げられたら、それってものすごく素敵ことだな、とも思います。
口に出す言葉を取捨選択していてすら、相手を傷つけてしまうので、すべてダダ漏れだったら…と想像するだけで恐ろしい。読む側にも、読まれる側にもなりたくない。けど、どちらであっても凛と生きれるだけの強さが得られたら相当にカッコいい。。。

ノベライズでもこれだけ楽しいのだから、映像で見たらまた違った魅力がありそうですね。原作の漫画も気になります。自分でノベライズを手にすることはあまりないので、貸してもらえて読めてよかったです。

いつか年を取って思い出し笑う。
傷つけたことも、それらと同じ思い出の1つ。
そう思えば喧嘩も、すれ違った日々も……楽しみに変わる。  (p206)

★★★★

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