「ありふれた愛じゃない」 村山 由佳

いったいどうすれば、あの男にこれ以上惹かれずにいられるのだろう。
未熟だがまっすぐな年下彼氏との婚約に満足していたはずの真奈が偶然再会したのは、社会不適合だが危険なほど官能的な元カレだった。
揺れる心と躯。楽園の島タヒチで真奈が選んだ愛とは?


真奈は、銀座の老舗真珠店でチーフマネージャとして働く32歳。6歳年下の彼とは結婚も間近だ。
それなのに。

まさか、地球の裏側で10年前に好きなまま別れた、かつて愛した人に再会するなんて。

本書を読み終えたらどうか、カバーを外してみてほしい。
読み進めていく中でタヒチの美しさに心を溶かされていたのに、ふとカバーを外したら、こんなにくい演出まで。心はすっかり楽園タヒチに飛んでいってしまったかのようでした。
さらに、作中に出てくるSadeの「No Ordlinary Love」は海の中で人魚が唄うPVで、あわせて聴くのもいい。

登場人物では、ジョジョが特に好き。辛辣だけど、まっすぐで素敵な人。でも、その他の登場人物もみな魅力的で、頭の中で動き回っています。
大人になればなるほど、こんな身を焦がすような、一生を賭けるような大恋愛をすることを避けてしまうからこそ、物語の中で追随できたらもう十分。
恋愛小説といえば、村山さん。
頭の中に次々に浮かぶ映像があまりにも美しくて、心が解き放たれたような清々しい読了感でした。

人生、しんどいことだって起こるけど、もし雨が降らなかったら、そのあとにあんなきれいな虹がかかることもないのよ。 (p113)

★★★★☆

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