「穂足のチカラ」 梶尾 真治

安月給のダメ社員の父、パチンコ依存症の母。
シングルマザーの娘に、登校拒否の息子。
そして祖父は認知症気味。
それぞれが上手くいかない何かを抱える海野家で、愛らしい3歳の孫、穂足だけが唯一の救いだった。



ひさびさの梶尾さん。
現在社会を象徴するとも言える複雑な家庭が登場して、暗いながらも興味深い。

これは、SF小説です。
解説では、「SF」をサイエンス・フィクションと同時に「すこし・ふしぎ」と称していましたが、まさにそんな感じです。
あれよあれよと不思議な出来事が起こって、なんともふしぎな気持ちに陥ります。

誰もが一度は自分のコンプレックスが解消されたらいいな、なんて夢を抱いたりすると思いますが、では果たして何1つコンプレックスも欠点もなくなったら嬉しいものか?と問われると悩んでしまう。
欲のない世界は平和かもしれないけど、自分の欠点と向き合って乗り越えようとする過程も好きなので、一段抜かしじゃない世界の方が好きかもしれない。
とはいえ、たまにはこんな夢のような物語も楽しいですね。

★★★

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